サッカー全国選手権2部でかねてから話題となっていた八百長疑惑が先週、1部リーグの選手にも波及していたことが判明し、騒動が拡大。9日には選手や賭博師ら16人が被告となり、10日にはフラヴィオ・ジノ法相が連邦警察に捜査させる意向を表明した。11日付G1サイト(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)などが報じている。
ことの発端は昨年11月の全国選手権2部の最終戦で、ヴィラ・ノヴァ、サンパイオ、トンベンセの3チームの選手が、「試合中にファウルを犯すか」で賭けの対象になっていたことが明るみになったことだった。
一例はゴイアス州に本拠を置くヴィラ・ノヴァのロマーリオで、対エスポルテ戦でファウルを犯すと約束し、手付金1万レアルを受け取って試合に臨んだ。既に逮捕された賭博師のブルーノ・ロペス・デ・モウラ容疑者はロマーリオに15万レアルを払う約束をしていたという。サンパイオ、トンベンセの選手もファウルを犯した。
この件で3月には、フェリペ・カレーラス下議(ブラジル社会党・PSB)が下院に八百長の議会調査委員会(CPI)を設置するよう要請。規定の人数の署名も得ていた。
その矢先の8日、同件の捜査を担当しているゴイアス州検察局が、犯罪集団と全国選手権1部の名門サントスのディフェンダー、エドゥアルド・バウエルマンとの会話を公開。そこではバウエルマンが昨年11月5日の対アヴァイ戦で、賭博師から事前に5万レアルを受け取ったにもかかわらず、試合でそれを実行せず、批判されていた。契約を破ったバウエルマンは受け取った5万レアルを返還するだけでなく、賭けで生じた負債80万レアルを補償するために、毎月5万レアルを20回分割で払うと約束させられた。
ゴイアス州検察局は昨年から今年にかけての13試合での賭けに絡んでいた選手や賭けに絡んだ人物計16人を起訴済みで、9日に全員が被告となった。既に被告となった選手はバウエルマンら7人で、残る6人の所属チームはシャペコエンセ、スポルチ、ナウチコ、サンベルナルド、イピランガ、セルジッペだ。関与が疑われている選手は53人に上り、内4人は報奨付証言に応じている。
事態を重く見たフラヴィオ・ジノ法相は10日、「連邦警察が捜査しなくてはならなくなる」と発言。11日には捜査開始を命じた。ブラジル・サッカー連盟(CBF)も連邦警察に対し、可能な限り不正を明らかにすることを望む声明を発表している。