洲崎国際交流基金所長が離任=後任に田村大吾さん

洲崎さんと田村さん(左から)

 国際交流基金サンパウロ日本文化センターの洲崎勝所長が4月28日に離任した。離任挨拶のため25日、後任の田村大吾さん(47歳、東京都出身)とともに編集部を訪れた。
 洲崎さんは2017年6月に同センターに着任した。当時を振り返り、「県連日本祭りに初めて参加し、その規模と質の高さから、国際交流基金として生半可な事業は出来ないぞと肝に銘じたことを覚えています」と語った。
 初めてブラジルを訪れたのは、国際交流基金に勤め始めて3年目の1986年、南米歌舞伎公演の担当者としてだった。その後、88年に和太鼓公演の事業の担当者として来伯。「以前知り合った和太鼓演奏者の方から88年の公演がきっかけで太鼓を始めましたと言われた時は嬉しかったですね」と語った。
 印象に残っている事業については、ブラジル日本文化福祉協会と日本館で開催した「プロジェクションマッピング×日本庭園プロジェクト」を挙げた。同イベントはコロナ禍の煽りを受け、開催期間を短縮するなどの困難があった。
 洲崎さんは国際交流基金に勤めて40年になるという。海外勤務はロシア3年、メキシコ5年、アメリカ3年、ブラジル5年6カ月だ。帰国後は「趣味のお茶を通じて社会貢献したい」と語った。
 後任の田村さんは上智大学でポルトガル語を専攻し、国際交流基金では日本語教育教材「まるごと」の開発に携わってきた。
 田村さんはブラジル日本移民100周年時に当地を訪れており、「とても大規模な催しで驚いたことを覚えています。ありがたい経験をさせてもらったと思っています」と振り返る。
 田村さんは、今後の抱負として「世界に発信できる日本らしさとは何かを考え、日系社会と協力しながら工夫ある活動を行っていきたい」と語った。

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