兵庫県加古川市の岡田康裕市長らが6日、パラナ州マリンガ市との姉妹都市提携50周年を祝うため来伯した。一行はマリンガ市役所や市議会、マリンガ州立大学、州都クリチバでパラナ州知事を表敬訪問し、11日に活動報告のため編集部を訪れた。12日に帰国した。
今回来伯したのは岡田市長をはじめ、釜谷和明加古川商工会議所会頭、小林直樹同市議会議長ら7人。
編集部を訪れた岡田市長は、今回の訪伯での成果として4年ぶりとなる両市青年派遣事業の再開決定を挙げた。同事業はコロナ禍を理由に中断されていた。
岡田市長は、人口減少が進む日本では、外国人労働者の受け入れ準備を進める必要性があると語り、同事業を通じて、国際経験を持ち、外国人のサポートが出来る人材の育成を目指すと述べた。同事業では今回から派遣対象を加古川市在住の高校生にまで広げた。前回までは大学生以上が対象だった。
岡田市長がブラジルを訪れるのは今回で3度目。1度目はマリンガ市創設70周年時、2度目は眞子さまも訪伯された日本移民110周年時だった。
岡田市長はブラジルについて「これまで様々な国を訪問しましたが、ブラジルからはハングリー精神や物事へ取り組む強い意思を感じます。成熟した日本社会ではなかなか感じにくい部分です。派遣事業を通じてぜひ加古川の若者にも肌で感じてほしい」と語った。
また、両市が50年間にわたって友好な関係を築けているのは、西森ルイス連邦議員やマリンガ市国際交流協会の植田真一会長を始めとするマリンガ文化体育協会(ACEMA)の協力者らが訪日した際に加古川市を訪れ、継続的に交流の機会を作ってくれているからと感謝を述べた。
コロナ禍中は、現地を訪れての交流が行えなくなり、オンラインでの交流事業が実施された。一定の成果はあったが、やはり現地交流でしか得られない学びはあると岡田市長らは語り、青年らに派遣事業への参加を呼び掛けた。
一行は編集部を訪れる前、日本移民史料館を視察した。岡田市長は神戸市にある移住ミュージアム(旧国立移民収容所)にはこれまで何度も訪れていると話し、「日本移民の歴史を知ることは、今後の日本国内の外国人対応の参考になる」と移民史を知ることの重要性について語った。
岡田市長らは翌日、三菱財閥創業者の岩崎弥太郎の長男、岩崎久弥氏が1927年に創業した東山農場のコーヒー園を視察し、日本へ帰国した。