サンパウロ市リベルダーデ区の曹洞宗南米別院佛心寺(清野暢邦南アメリカ国際布教総監)で7日、大本山總持寺開山太祖瑩山紹瑾禅師700年大遠忌予修法要が行われた。總持寺を開山した瑩山禅師の法要は50年ごとに行われ、今回は700年目という節目。法要は日本国外の国際布教総監部管内の4カ所(サンパウロ、ロサンゼルス、パリ、ハワイ)でも行われ、当地には曹洞宗宗務庁から出版部長の倉内泰雄老師らが出席した。
開始を告げる鐘が鳴らされる中、しめやかに読経が始まった。北米、アルゼンチン、コロンビア、ペルー、パラグアイからも同宗僧侶が駆け付け、国内各地からはエスピリトサント、ローランジャなど異例の40人が参集した。法要は信徒代表ら約50人と共に執り行われた。来年が本法要の年に当たるため、予修法要が行われた。
瑩山紹瑾禅師(1268年~1325年)は8歳で仏門に入って大本山永平寺の門をくぐり、13歳で得度を受けて正式な僧侶になった。28歳で徳島県に城満寺を開き、58歳で石川県能登に總持寺を開いた。瑩山禅師と並んで二祖と称される峨山韶碩禅師を育て、曹洞宗の布教に邁進した偉人、太祖大師として尊敬されている。
法要では8人の僧侶と共に倉内老師が導師として入場。仏殿の前に僧侶らが2列になって整列し、中央に座った倉内老師が読経を上げた。僧侶らの焼香に続いて檀信徒代表らが焼香を行った。
終盤の導師挨拶で倉内老師は「本日の予修法要では、大本山總持寺開山太祖瑩山紹瑾禅師の足跡に思いをいたし、その『大いなる足音』を、身をもって感じていただけたものと思います。そして明年は大遠忌正當の年となります。皆さま方には、この勝縁を生かしていただき、是非ともご本山に対しまして心をお寄せいただきますようお願い申し上げます」と述べ、「大遠忌予修法要をお勤めできましたことに心から感謝申し上げ、ここ南米の地で曹洞宗のみ教えがさらに敷衍されますことを念じ、ご挨拶とさせていただきます」と締めくくった。
その後、目を通すだけでもご利益があるといわれる600巻の大般若波羅蜜多経の主要部分を拾い読みする「転読大般若」が行われ、経典が次々と扇のように開いては閉じられた。
さらに南米檀信徒を供養する檀信徒総回向となり、僧侶が中央の畳の上をグルグルと回る行道法も行われた。
佛心寺元婦人部長の斉藤明子さん(90、2世)は「50年に一度らしい荘厳な雰囲気に包まれ、とても感動しました」としみじみ語った。2016年に禅宗の瞑想に興味を持ったことから寺に通い始めたというマルコ・アントニオ・モレイラさん(48)は「美しいと言っていいような感動的な法要だった。特別な時間を過ごせた」と満足そうにのべた。