17日、下院で財成均衡法案(アルカボウソ)を緊急プロジェクトとして審議するか否かの全体投票が行われ、367票対102票の大差で可決された。これで来週以降に審議に入ることが確実となった。17日付フォーリャ紙(1)(2)(3)などが報じている。
今回の投票に関し、アルトゥール・リラ下院議長(進歩党・PP)は圧倒的な大勝を望んでいた。めどとしていたのは、憲法改正に必要な票数の308票だったが、それをも大きく上回る結果となった。
緊急プロジェクトとしての審議に賛成したのは労働者党(PT)をはじめとした左派の与党勢力や、閣僚を出している民主運動(MDB)、社会民主党(PSD)、ウニオン、さらに民主社会党(PSDB)にシダダニアといった政党だ。これらの政党の協力により、与党から社会主義自由党(PSOL)とレデが賛成しなかったのを差し引いても問題なく承認された。
今回の投票は「審議を開く」ことに主眼が置かれたもので、必ずしも法案に賛成するという意味ではない。だが、アルカボウソに対して基本的に反対姿勢を取っているボルソナロ前大統領の自由党(PL)からも29人が賛成票を投じた。
この日の投票の直前には、報告官を務めるクラウジオ・カジャド下議(PP)による説明も行われた。同下議は、かねてからアルカボウソが提案している「財成目標が守られた場合、次年度の連邦政府支出は歳入増加分の70%まで引き上げ可能」などの項目の他、15日に連邦政府と話し合った「財成目標が守られなかった場合の罰則(ガチーリョ)」などについても話した。ここでも、ルーラ大統領(PT)が主張している「最低給与」と「ボルサ・ファミリア」の支給額調整はガチーリョの対象外とすることが強調された。
フェルナンド・ハダジ財相(PT)は17日、下院にかけられるアルカボウソに関して「国の二極化を緩和させるような内容になっている」と自信をのぞかせる発言を行っている。アルカボウソに関しては3月に原案が公表された時から、中道や保守からの受けが良く、むしろPT内部など、左派からの懸念の方が強かった。
また、ルーラ政権はこのアルカボウソの審議との関連で、総額10億レアル分の議員割当金を支出する準備を行っている。この額は既に連邦政府の予算案として組み込まれている範囲のものだ。
連邦議会での審議にはまだ、上院でも緊急議題とするための承認手続きが残っている。だが、こちらは現在、連邦政府リーダーのランドルフ・ロドリゲス上議が同院で最多議員数を誇るPSDの上議を報告官に据えることで話を進めている。
順調に進めば、下院での審議は来週から始まることになる。