18日、フェルナンド・コーロル元大統領に対する収賄と資金洗浄の嫌疑での最高裁審理で、同氏を有罪とする票が過半数を上回った。審理は来週も続くが、報告官が科した刑期のままなら約33年の実刑判決を受けることになる。コーロル被告は1992年に罷免される直前に大統領を辞職したことでも知られている。17日付UOLサイト(1)(2)(3)(4)(5)などが報じている。
コーロル被告は2015年にラヴァ・ジャット作戦で捜査を受けた後、連邦検察庁から起訴され、17年に最高裁の被告となっていた。同氏の嫌疑はペトロブラス子会社のBRディストリブイドーラの役員に政治家を指名し、UTCエンジェニャリアとの契約に便宜を図ったことで2010年~2014年に2900万レアル相当の賄賂を受け取ったというものだ。
家宅捜査の際は、同氏の自宅からフェラーリ、ポルシェ、ランボルギーニといった世界的な高級車が押収されて話題となった。これにより、資金洗浄も疑われていた。
コーロル氏は今年の1月いっぱいまで上議だったため、不逮捕などの特権があったが、任期切れでそれを失ったのを受け、最高裁での審理が始まった。
審理は11日の罪状読み上げに始まり、17日には報告官のエジソン・ファキン判事が「捜査で得た証拠から、起訴された内容は明白」とし、33年10カ月と10日の実刑を科すべきとの見解を表明して有罪に票を投じた。この刑期は検察庁が求めた22年を大きく上回り、その内の24年5カ月と10日は資金洗浄に当てられている。また、組織的犯罪との判断で4年と1カ月も加算された他、公職につくことの禁止と160万レアルの罰金も言い渡された。
同判事はまた、コーロル氏が所有する印刷会社の共同経営者のルイス・ペレイラ・ドゥアルテ・デ・アモリン被告に8年1カ月、オペレーターのペドロ・パウロ・ベルガマスキ被告に16年10カ月の求刑を行った。この日の審理はアレッシャンドレ・デ・モラエス判事がこれに賛成したところまで終わった。
審理は18日に再開され、アンドレ・メンドンサ、ロベルト・バローゾ、ルイス・フクス、カルメン・ルシアの各判事が有罪に賛成票を投じて6票となり、過半数を超えた。ただし、メンドンサ判事はファキン判事が刑期を延長したことや犯罪組織形成に関しては反対を唱えている。この時点までに反対票を投じたのは、「証拠不十分」と判断したカシオ・ヌーネス判事だけだった。
まだ票を投じていないのは、コロナウイルスで入院中のジアス・トフォリ判事、ジウマール・メンデス判事、ローザ・ウェベル長官の3人だ。
コーロル氏は1989年の民政復帰後の初の大統領選の決選投票でルーラ氏を下し、大統領に就任した。だが、経済政策での失策で支持率を落としていた上に、92年5月に実弟のペドロ氏から贈収賄工作の嫌疑を暴露され、92年9月の下院の投票で441票対38票の罷免審理が認められて停職。上院での投票を待たずに、罷免審議のその日に、任期を終えることなく辞任した。だが、この時は嫌疑に関する裁判に至っていなかった。
同氏はその後、2006年の上院選に当選して政界に復帰。上議を2期務める間に起訴状が受理されたが、審理は長期間、差し止められたままだった。