SBT局番組「Bom dia & Companhia」の元司会者で、子供たちに景品をプレゼントする役をしていたことで知られる有名歌手、ダンサーの玉城ユウジさん(30歳)が、ブラジル日本文化福祉協会(文協)と協力関係を結び、今後自身が行う講演の内容に日本文化の価値観に関する話を織り込んでいくことを10日の文協理事会で表明した。
玉城さんはSNSで計1600万人以上のフォロワーを持つ有名人。本紙姉妹紙NipponJaのアウド・シグチ記者の取材によれば、2021年に父ネルソン氏を亡くした後、日本文化との「つながり」の必要性を感じたという。
玉城さんは日本文化を学ぶことで「ハグやキスなど、他の父親がすることをしなかったのは、間違った行動ではなく、彼の歴史の一部であり、世代から世代へと受け継がれてきたものなのだとわかった」と語る。
玉城さんは、サントスのバイシャダ・サンチスタで生まれ、1992年、1歳の時に父親とともに祖父母の地日本に渡り、5歳まで過ごした。
現在はSBT創立者シルヴィオ・サントスのショーに出演する傍ら、岐阜県美濃加茂市に本社を置く日系ブラジル人関連企業のオーナーとしてビジネス分野でも活躍している。
玉城さんは自分の知名度を活かして講演活動を行い、その中で日本文化の価値を広めたいと力説する。「日本文化について知りたがっているブラジル人はたくさんいます」と語る。
玉城さんは昨年、ゴイアス日伯協会(ANBG)が主催したゴイアス盆踊りに協力。文協地方理事も務めるANBG評議員会会長のマルコ・トゥーリオ・トグチ氏から文協を紹介され、「この協力関係を文協にも広げたら面白いかも」と考え、石川レナト文協会長と面会した。
玉城さんは、講演の中で日本文化の価値観、中でも「生きがい」に関するテーマを織り込んでいきたいという。
石川文協会長は玉城さんとの協力関係を「このパートナーシップは双方にとって非常に有益なもの」と位置づけ、「私の今回の任期の重要な目標の一つは、文協だけでなく日系社会の活動をブラジル社会にアピールすること。ユウジさんが我々のイベントを盛り上げてくれるのは、とてもありがたい」と感謝した。