ティナ・ターナー=伝説のマラカナン公演再注目=18万人動員で世界記録認定

在りし日のティナ。2009年、50周年記念ツアーより(Philip Spittle, via Wikimedia Commons)
「ベイジャ・フロール」の山車に乗って登場したティナ(ライブ動画より)

 24日、米国の大物歌手ティナ・ターナーが亡くなり、彼女が1988年に行い、18万人以上の観客を動員したリオ市マラカナン・スタジアムでのコンサートに再び注目が集まっている。
 18万8千人(18万2千人との報道も)の観客が集まったとされるマラカナンでの公演は、1988年1月16日に行われた。CNNブラジルなど(1)(2)(3)(4)によると、これは当時、1980年にフランク・シナトラが作ったマラカナンでの最多動員数17万人を破るものだった。この動員数はギネスブックに申請され、「有料での女性ソロ・アーティストによるコンサート最大入場者数」として世界記録に認定されている。
 この公演は真夏のリオ市で行われたということもあり、名門エスコーラ・デ・サンバの「ベイジャ・フロール」が彼女のために特別の山車を作り、伝説のカルナヴァレスコ、ジョアンジーニョ・トリンタが舞台演出を手がけた。
 このコンサートは13曲53分と決して長くはないものの、名コンサートと称され続け、2001年にはDVDが発売された。この時の模様はブラジルのテレビでも繰り返し放送され、語り草となっていた。
 文化評論家のトニー・ゴエス氏はティナのブラジルでの人気について、「ブラジルの名サンバ歌手、エルザ・ソアレスによく似ている。両者とも極貧に生まれ、壮絶な結婚生活を送った後に、活力溢れるしゃがれ声で勇気と抵抗の象徴になった」と分析している。

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