聖南西教育研究会=交流行事通じて人間性育む=聖南西低学年デイキャンプ

デイキャンプ参加者ら

 聖南西教育研究会(渡辺久洋会長)は4月29日、サンパウロ州ピラール・ド・スール市の同市日本文化体育協会館で「第19回低学年デイキャンプ」を開催した。聖南西地区の日本語学校に通う9~12歳の生徒48人が、スポーツやゲームを通じて交流を深めた。
 今回の参加校は、研究会加盟の6校(コロニア・ピニャール、レジストロ、イビウーナ、ピラール・ド・スール、サン・ミゲール・アルカンジョ、カッポン・ボニート、ソロカーバ、ピエダーデ)。教師21人、助手としてピラール・ド・スール日本語学校の卒業生4人も参加した。
 9時半に開会式が行われ、同文協会長の横飛しょういち氏、聖南西文化体育連盟教育部長の原口イレーネ氏が挨拶。渡辺会長は生徒らに「デイキャンプに参加できるのは、先生や母の会の方々、家族の人たちのおかげ。そのことを忘れず1日いっぱい体を動かして友達をたくさん作ってください。そして帰ったら家族に今日のことをたくさん話してあげてください」と語った。
 聖南西教育研究会では「日本語を学ぶだけでなく、他校生徒との交流などを通じて、人として成長してもらうことも大切」との理念から各種行事を行っている。12歳以上の生徒には林間学校や青空スポーツ教室などの行事を行っている。
 開会式後、体育館に移動し、「ペア作り」や「鬼ごっこ」などのスポーツゲームを行った。
 半数以上の生徒が初参加で、9~10歳の生徒は小学校に入学する段階でパンデミックとなり学校に通うことができず、団体行動経験が少なかったことから、初めはどう動けばいいのかわからずぼんやりしている生徒が多数みられた。
 5チームに分かれての「ドッジボール大会」が行われると、生徒らは緊張もほぐれ、指示通りに団体で動けるようになっていた。大会中は元気な歓声があがり、活気ある雰囲気に包まれた。
 昼食休憩時間は、全員で「いただきます」を言い、各自持参したお弁当を食べた。他校の生徒と打ち解け、楽しんでいる様子が見られた。

 午後は体育館で「ひらがな・カタカナカード探し」「言葉つくり」「ビーチボールパス回し」「大縄跳び」を行った。
 大縄跳びでは、うまく跳べるように、縄を回す人や並び順を変えるなど各チームで意見を交わらせながら、試行錯誤する姿が見られた。
 プログラムの最後はグラウンドで「80mリレー」を行った。上位3チームにはトロフィーが渡された。表彰式では各チーム笑顔で集合写真に収まった。
 デイキャンプは3時15分に終了。教師の「もう疲れた人、もっとやりたい人?」との問いかけに、生徒らは半分ずつ手を上げたが、「今日1日楽しかった人?」と聞くと全員が充実した笑顔で手を上げた。
 参加した教師からは「学校では少しダラダラしている子が、班長の子に触発され、大縄跳びでは進んで『せ~の!』と声掛けをしていて、普段とは異なる一面が見られた」「通訳を入れる前に日本語だけで笑いや返事や反応をする子がかなりいて驚いた」という声が聞かれた。

JICA次世代育成研修
中学生地区選考会を実施

 JICA次世代育成研修中学生プログラムの地区選考会が4月29日、サンパウロ州ピラール・ド・スール市日本語学校で行われ、13~15歳の生徒6人が参加した。
 選考会には、審査員としてレジストロ日本語学校教師の福澤一興氏や吉田千鶴子氏、四つ葉学園教師の浅沼ファビアーノ氏、JICA日系社会協力隊の料理専門で3月にレジストロに派遣された荒川真紀氏、カッポン・ボニート日本語学校元教師の上村千代子氏が参加した。

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