リベルダーデ友好会(平崎靖之会長)は21日昼、サンパウロ市のニッケイパラセホテルで、日系6人目の空軍将官となる岡田アレシャンドレ少将(54歳、3世)の昇進祝賀会を開催した。
岡田少将は1968年10月にサンパウロ市リベルダーデ区のサンジョアキン街の病院で生まれた。父親が市営市場で働いていたこともあり、14歳までセントロやアクリマソン区で育った。その後、軍学校に進学して第54歩兵大隊、歩兵大隊長兼副隊長兼情報課長、アナポリス空軍基地情報部、航空宇宙技術研究所(ITA)学長補佐、特殊空挺部隊歩兵大隊マナウス(BINFAE)司令官などを歴任した。
岡田少将は家族連れの赴任だけで19回を数える。2017年から1年間、中国の軍学校にも赴任して交流を深めた。「非常に組織だった軍隊で、予備役の数がものすごく多い。退役後も定期的に訓練を受けるなど、即応体制を敷いていることに感銘を受けた」と当時を振り替えった。妻ロベルタさんも「中国の国営テレビでは、見せしめとして銃による公開処刑が放送されていて驚いた」と思い出した。
30年間日本に住んでいる母の山名恵美子さん(2世、70歳)も、今回の昇進式には駆け付けた。「アレシャンドレは家族の誇り。時々電話して『今どこにいるの?』って聞いても『ミッションだから答えられない』っていう時が多いの。きっと重要な任務を果たしているのだと思うわ」と述べた。
母親と妹が日本に在住している関係で、岡田夫妻は6回も訪日旅行した。岡田少将は「札幌の雪まつり、ディズニーランド、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンが大好き。日本全国の水族館とタワーと名がつくところはほとんど行った」と豪語する。ロベルタさんは「雪の中で露天風呂に入るのが最高ね」とかなりの日本通の様子。
恵美子さんによれば「アレシャンドレは退役したら、しばらく日本でゆっくり過ごしたいといっているの。そうしたら家族水入らずで、ゆっくり過ごせるわ。私は日本に戻ったら大好きな沖縄でのんびりしたいわ」と楽しみにしている。
祝賀会には34人が出席した。平崎さんが司会を行い、知花ルイさんが少将の経歴を読み上げ、「軍の最高レベルまで到達した日系人の存在を日系社会の誇りと感じる」と総括した。
ブラジル日本文化福祉協会の佐々木バウテル副会長も「軍人の常でたくさんの場所へ赴任され、家族と共に苦労されてきたと思う。それを乗り越えてこの昇進を果たしたことをお祝いしたい」との言葉をおくった。
小室千帆在サンパウロ首席領事も「日本政府としても、日系人の勤勉な特性を生かし職業的に精進することにより、このような日系高官が生まれたことを心から祝福します」との祝辞を述べた。サンパウロ日伯援護協会の菊地義治元評議員会長が乾杯の音頭をとり、楽しく歓談した。
最後にプレゼントを受け取った岡田少将は「私はサンジョアキン駅のすぐそばで生まれて、この辺で育った。日本文化は私の一部。軍で活躍できる人格や特性を、日系人としての身に着けていたことが誇らしい」と感謝の言葉述べた。