20日に開催された農業婦人部連合会(ADESC)の第12回子供絵画教室に参加した日本語学校の中で、生徒数最多だったのがピラール・ド・スール日本語学校。同校の渡辺久洋教師に聞くと、昨年の生徒数は48人だったのが現在は70人へと急増しているという。
その理由を母の会の会長、三瓶(さんぺい)マダレーナ・ヒロコさん(39)に聞いてみると、「どうやらブラジル公立校で『日本語学校に生徒が通い始めたら子供の生活態度が変わった』って、父兄の間で良い評判を流してくれているのが大きいわね」との見立てを語った。
サンパウロ州ピラール・ド・スール市は人口3万人程度の小さな町で、日系人密度が高い。文協の活発な活動が自然と地域に溶け込んできた歴史が背景にはあるようだ。同日本語学校は体育や音楽、図工など普通のブラジル学校ではやらない情操教育が熱心に行われ、日本文化の礼儀なども教えている。
隣に座っていた同じ母の会の寺尾ファッチマさん(50)も「先生がすごく一生懸命で、その熱が子供に伝わるの。座学だけじゃなくて、運動をしたり、絵を描いたり、子供が楽しめることを一杯やってくれるから学校に行きたがるのよ」と熱心に語った。
元々は日系子弟向けの継承日本語教育だが、レベルの高さが噂を呼び、現在では生徒の半数は非日系人となっている。