クーニャ=最高裁がLJ判決無効に=約16年の実刑判決覆る

クーニャ氏(Marcelo Camargo)
クーニャ氏(Marcelo Camargo)

 最高裁の第2小法廷は29日、ラヴァ・ジャット作戦で告発され、収賄容疑などで16年の実刑を科せられていたエドゥアルド・クーニャ元下院議長の裁判を無効とした。29日付G1サイト(1)などが報じている。
 クーニャ氏は下院議長だった2016年、スイスの銀行に作った秘密口座とそこへの金銭の授受の痕跡が発覚した。これが、ペトロブラスの油田掘削船の建設に関し、企業契約の口利き料に伴う収賄と資金洗浄ではないかとする嫌疑へとつながり、同年中に下議を罷免された上、パラナ州連邦地裁のセルジオ・モロ判事(当時)から逮捕命令を受け、それ以降、長期間拘束された。また、2020年には15年11カ月の実刑判決が言い渡された。
 だが、その間、2019年に隠し口座に関する犯罪の管轄が最高裁の判断で選挙裁判所に移管されたこと、さらに、2020年にペトロブラスを舞台にした贈収賄工作に直接的に関係しない案件をパラナ州連邦地裁は取り扱えないとの判断が下されたことで形勢が変わり、クーニャ氏への実刑も、2021年に昼間の外出が認められるセミ・アベルトに切り替わっていた。
 今回の審理は2022年に始まっており、報告官のエジソン・ファキン判事とリカルド・レヴァンドウスキー判事(2023年4月退職)がクーニャ氏に対する裁判を無効にすることを認める判断を下していた。
 この審理の続きは26日に再開され、カシオ・ヌーネス、アンドレ・メンドンサの両判事が判決は有効と主張したが、ジウマール・メンデス判事が無効を主張。これにより、3対2でクーニャ氏への判決は無効化されることとなった。メンデス判事はラヴァ・ジャット作戦に懐疑的なことで知られ、全体審理で有罪を決めたフェルナンド・コーロル元大統領への審理でも無罪票を投じていた。
 クーニャ氏は判決後、弁護士を通じて、「公正な判断が行われた」とし、感謝を示していた。

 

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