渡伯60周年で旧交温め=手記集制作への協力呼びかけ

渡伯60周年記念の集い出席者ら。世話人の伊藤さん(前列左端)と中沢さん(中段中央)

 1963年度渡航有志(中沢宏一、伊藤幸吉世話人)が主催する「渡伯60周年記念の集い」が21日正午、サンパウロ市リベルダーデ区の旧ニッケイ新聞社2階で開かれた。
 1963年には「さくら丸」「ぶらじる丸」「ボイスベン号」「あるぜんちな丸」で1230人が移住した。移住者の高齢化により、同船者ごとの集まりでは参加者が少なくなったため、同年度渡伯者での集いを行うことになった。
 当日は13人が集まり、オラプロノービス日本食探求会の「オラポッキ丼」を食べながら旧交を温めた。
 ボイスベン号で渡伯の大塚弥生さんは、船内新聞を持参。「今まで忙しくて読む暇がなかったけど、集いを機会にじっくり読むことができた。今日初めて監督さんが特別待遇を受けていたことを知って驚きました」と笑みをこぼした。
 さくら丸で渡伯した山本剛介(ごうすけ)さんは在サンパウロ総領事館に17年間勤めた。出稼ぎブーム時は戸籍再製の業務に携わったとこれまでの人生を振り返り「ブラジルに来てよかった」と語った。
 世話人の中沢宏一さんは「生き残り移住者の手記を残す運動を進めたい。本にまとめる準備委員会を発足させたいので皆さん協力してください。今日集まった方の話だけでも様々なものがあったのですから、手記を集めて本にまとめれば興味深いものになると思います」と語った。
 当日は伊藤幸吉(さくら丸)、笠間照博(さくら丸)、宇佐美光男(さくら丸)、百瀬易治(ぶらじる丸)、早川量通(82年あるぜんちな丸)、塩野彰、大段務、猫塚司、榎原(えのきばら)良一、伊藤信比古さんらが出席した。

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