国際協力機構(JICA)ブラジル事務所(江口雅之所長)は5月18日、サンパウロ市の同事務所会議室にて海外協力隊員着任式を行った。着任式には新規隊員、JICA関係者、派遣先関係者ら約25人が対面とオンラインで参加した。
今回派遣されたのは森岡弘子さん(派遣先:アチバイア日本語学校、サンパウロ州アチバイア市)、公平千鶴子さん(憩の園、サンパウロ州グアルーリョス市)、谷口玲子さん(スザノ・イペランジアホーム、サンパウロ州スザノ市)、林俊宏さん(トメアスー文化農業振興協会、パラー州トメアスー市)、松田亜弓さん(南日伯援護協会、リオ・グランデ・ド・スール州ポルト・アレグレ市)の5人。
隊員らは今回が初めての来伯で任期は2年間。
挨拶に立った江口所長は隊員に「身の回りの安全や健康管理に気を付け、業務に愛を持って取り組んでください」と激励の言葉を送った。
その後、各協力隊員による着任挨拶がポルトガル語で行われた。
森岡さんは約50年前、日本移民に関する本を読んでブラジルを意識するようになり、それが今回の協力隊参加に繋がったという。ブラジルでは日本文化の普及に貢献し、任期を終えた後は在日ブラジル人の支援に携わりたいと意気込みを語った。
公平さんは憩の園で料理協力を行う。「入居者の方に健康的で美味しく、食べやすい料理を作りたい」と述べ、日本で学んだ形と色を楽しむことができるゼリー状のソフト食の知識を活用していきたいと語った。
谷口さんはイペランジアホームで介護支援を行う。日本で学んだ介護技術や知識を当地で活用したいと話した。
林さんは図書館司書の経験を活かし、現地協会の書類整理協力を行う。トメアスーは湿度が高いことから「紙書類のデジタル化を促進させ、次世代にも伝承していきたい」と意気込みを述べた。また、「日系社会の方々は日本の人よりも、より日本人的だと聞きました」と話し、現地で行われている伝統行事に積極的に参加していきたいと語った。
松田さんは南日伯援護協会が発行する機関紙の編集などに携わる。地方紙の記者をしていた経験を活かし「いろんな方のお話を聞いて楽しんでもらえるようなものを書きたい」と話した。また、コロナ禍の影響で派遣が3年遅れたことを振り返り「やっとブラジルに来れて嬉しい」と感動の気持ちを表した。