リベルダーデ日本アフリカ広場に=サンパウロ市長が署名、正式に改名

移民110周年で建立された「リベルダーデ日本広場」記念碑

 【既報関連】サンパウロ市のリベルダーデ日本広場の正式名が5月31日、「リベルダーデ日本アフリカ広場」(Praça da Liberdade África – Japão)に改名された。
 本面5月5日付《リベルダーデ日本アフリカ広場か=レイス州議の改名法案が進展》(1)で詳報した通り、リカルド・ヌネスサンパウロ市市長の裁可待ちとなっていた改名法案に、市長が署名を行い、31日付けで発効した。
 改名法案(PROJETO DE LEI 01-00023/2020)は、パウロ・バチスタ・ドス・レイスサンパウロ州議(PT)が市議だった2020年に市議会に提出。3月に特別委員会で承認され、市長の署名待ちの段階だった。
 同広場は2018年、日本移民110周年を祝うため、当時のリベルダーデ文化福祉協会の池崎博文会長らが働きかけ「リベルダーデ広場」から「リベルダーデ日本広場」に改名した。当時これに対して、日系人の若い弁護士から「この場所で処刑された黒人の苦しみを軽んじている」との批判投稿がSNS上にあがり、5千近くの「いいね」が押されていた。
 レイス州議は3月17日、この法案に関してサンパウロ州議会で演説をした際、「ブラジル日本移民110周年で眞子さまがご来伯されたことを記念して、広場の名前に『日本』を入れたことに反対する気はない。だが、アフリカとの絆の強さ、歴史も忘れないようにするために『アフリカ』という言葉を入れることを提案した」と説明している。

□サビアの独り言□

 この件は、人種間のデリケートな感情問題を含んでいる。このままにしておくのが得策では。本紙においては長い名称は略する編集方針なので、表記を元の「リベルダーデ広場」に戻す。とりあえず今のところ、メトロの駅名は「日本リベルダーデ」(Estação Japão-Liberdade)のまま。そして移民110周年記念の石碑という形で、池崎氏の想いと「リベルダーデ日本広場」だった記録は残る。

(1)https://www.brasilnippou.com/2023/230505-21colonia.html

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