LJ内通者がモロの違法行為を告発=判事らに最高級ホテルで「下着パーティ」斡旋とも

 ラヴァ・ジャット(LJ)作戦で、「セルジオ・モロ判事(当時、現・上議)の内通者だった」という人物が浮上。ベト・リシャ・パラナ州知事(当時)らに対する盗撮、盗聴を行っていたことなどを暴露し、物議を醸している。4日付CNNブラジル(1)などが報じている。
 LJ作戦では、同作戦の被告である弁護士タクラ・ドゥラン氏が「モロ判事に近い人物から、逮捕逃れのための賄賂の支払いを命じられた」などの証言を行っている最中だが、そこに新たな証言を行う人物が登場した。
 その人物は、元パラナ州議のトニー・ガルシア氏で、LJの報奨付証言者でもある。事の発端は2日付ヴェージャ誌サイトが、同氏が「私はモロ氏の内通者で、モロ氏らの命令で、ベト・リシャ知事(当時)など、数多くの政治家に対し、違法な盗撮や盗聴などを行ってきた」と裁判所に報告したことが報じられたことだった。リシャ氏は2018年9月に収賄の現場を盗撮されて逮捕され、翌月の上議選で落選した。
 その報道では、ガルシア氏はモロ氏の内通者だったことを訴えようとしてパラナ州地裁のガブリエラ・ハルト判事に掛け合ったが、却下されたという。ハルト氏はモロ氏が2018年に法相に就任したのに伴い、LJ担当判事を務めた。現在もタクラ氏の証言聴取を行っていたエドゥアルド・アッピオ判事の解任に伴い、暫定担当となっている。
 この証言に関してモロ氏は「トニー・ガルシアは詐欺と横領の罪で最終判決を受けて有罪判決を受けた犯罪者だ。検察庁の要請と連邦警察の監督のもと、彼は自分の影響力を使って汚職計画の捜査で司法と協力することを決め、その際に共犯者を記録する権限を与えられた。この種の行為さは法律で認められている」と内部告発者の告発を否定した。
 また2日に配信されたユーチューブチャンネル「ブラジル247」のインタビュー動画で、ガルシア氏は「クリチバのホテルの最高級スイートルームで『下着パーティ』と呼ばれるイベントが開催され、たくさんの判事が参加したことがあった。その時に売春婦をホテルに送り込んだ」と証言して、ネットで注目を浴びた。
 TRF4はかねてからモロ氏との蜜月関係が囁かれており、アッピオ判事にLJ担当判事解任命令を出した裁判所でもある。
 ガルシア氏はこの番組の中で、「LJの連中は政治家や司法界の大物、ジャーナリストや弁護士を犯罪者に仕立てあげていた」「自分はエドゥアルド・クーニャ氏(ジウマ元大統領罷免審議を行った元下院議長)の友人でもあったから、ルーラ氏を選挙から外すため、労働者党(PT)を追求するための情報を求められた」「モロ氏はクリチバをキューバにあるグアンタナモ湾収容キャンプ(米国の重要犯罪者の収容・監禁・拘禁施設)に変えた」とも語っている。
 ガルシア氏は4日のCNNブラジルの取材に対しても、「自分とクーニャ氏との友人関係を利用され、PTに関する情報を求められた」との証言を繰り返し、「まるで従業員のように働かされた。連邦検察庁にも40回は通っている」とも語った。さらに、「アッピオ判事の解任にもモロ氏が介入したはずだ」とも述べている。

 

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