イグアスの滝=願い込めた硬貨158キロ回収=水質汚染防止を呼び掛け

公園職員やボランティアによる清掃作業で見つかった硬貨(Amanda França/Urbia Cataratas)
公園職員やボランティアによる清掃作業で見つかった硬貨(Amanda França/Urbia Cataratas)

 世界環境デーの5日、パラナ州西部のイグアスの滝(ブラジル側)国立公園で、国立公園職員やボランティアによる清掃作業が行われ、願い事を込めて投げ込まれた硬貨158キロ(約3千レアル)が回収されたと同日付G1サイト(1)が報じた。
 硬貨の投げ込みは禁じられているが、トレビの泉同様に願い事を込めて投げ込む観光客が後を絶たない。イグアス川からは鍵やナットなども回収されており、同国立公園持続可能性担当のアンドレ・マシャド・フランジニ氏は、硬貨その他の物を投げ込む行為は環境面から見て望ましいものとは言えず、啓もう活動が必要だと語る。
 フランジニ氏は、イグアスの滝に来たら、写真を撮ったり、良い思い出を作ったりすることに努めることを勧め、「滝周辺に投げ込む硬貨はどこかの団体や助けを必要としている人に寄付して欲しい。そうすればこの素晴らしい滝を常にきれいな状態に保つことができる」と語った。
 生物学者達は、硬貨の多くは時間の経過と共に溶解し、ニッケルや銅などの重金属が水の汚染を引き起こすと警告している。また、魚や水鳥といった動物は硬貨を獲物と間違える可能性があり、体内に取り込むと彼らの生体にも問題が生じ得ることも指摘している。
 なお、回収された硬貨は国立公園の環境プロジェクトのために使われる。回収された硬貨の多くは酸化しているが、コインの一部は外国産であるため、グレミオ・スポーツ・エ・ソーシャル・デ・フォス・ド・イグアス(Gresfi)を介した地元のメモリープロジェクトへの寄付を検討しているという。
 清掃作業は滝の水量が落ちている時を利用して行われた。5日の水量は毎秒46万6千リットルで、通常の毎秒150万リットルを大幅に下回っている。
 世界環境デーに関連したイベントは11日まで続く予定で、7日はイグアス国立公園を管理する利権所有者の生物学者達が地域の学校との特別プログラムを準備し、持続可能性に関する活動や意識的な消費、廃棄物の削減について考える。
 また、10日と11日は公園の管理スタッフと地域住民が、カパネマの土手に84本の自生木の苗木を植える予定だ。苗木の数は同公園の自然保護区が1月10日に84周年を迎えたことを記念している。

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