世界環境デーの5日、連邦政府が森林保護などにつながる諸計画の発表を行ったと5日付アジェンシア・ブラジル(1)(2)(3)が報じた。
その一つは、公有地の不法分譲や金などの鉱物の不法採掘、不法伐採、先住民居住地での漁や猟などを取り締まり、環境や生態系と法定アマゾンの治安などを守る「アマゾン計画:保存と主権」だ。
ルーラ大統領は計画発表に際し、「環境破壊につながる犯罪は、麻薬や武器、人身の売買、資金洗浄、奴隷労働、契約殺人、児童や青少年の搾取的性行為といった真の犯罪生態系によって助長され、かつ助長している」と厳しく批判した。
5日開催の国家治安フォーラムでは、2022年の法定アマゾンでの殺人や強盗殺人、傷害致死による犠牲者は8千人を超え、人口10万人あたりの犠牲者数は26・7人に達したと報告された。全国の殺人による死亡率は19人/10万人だから、法定アマゾン9州での暴力的事件の死者は極端に多い。アマゾナス州は死亡率が33・1人で、1432人が殺害された。
警官による死者が多いのも法定アマゾンの特徴だ。2021年の警官による死者は3・6人/10万人で、全国平均の2・8人/10万人を大幅に超過。同年の全国の警官による死者は2018年より4・2%減ったが、法定アマゾンでは5・1%増えている。
法定アマゾン内の警察署は2451平方キロに一つで、全国平均の734平方キロに一つを大幅に下回る。このことは、法定アマゾンでの警官による死者増加は犯罪増加に伴う警官との抗争増加を示す証拠といえる。5日はアマゾナス州で起きたドンとブルーノ殺害事件から丸1年だったが、フォーラムの技術分析書には、法定アマゾンやアマゾナス州では麻薬密売や密猟などの不法行為で動く金の大きさ故の経済的、社会的圧力が大きく、組織犯罪や暴力事件の実態には変化がない。解決には監視・抑制対策と共に、警察力強化などの構造的な対策も必要と記されている。
同日は犯罪行為による影響力を削ぐため、法定アマゾンの伝統的なコミュニティと鉱物採掘や木材伐採が行われている地域で森林保護や土地の浸食を防ぐための活動に協力する住民向けの生活扶助ボルサ・ヴェルデ再開も発表された。同ボルサは2011年に創設されたが、2017年に中断。当時は7万世帯が対象だったが、今回は約3万世帯から始まる。持続可能性は環境保護や治安確保、気候変動対策に不可欠だ。