アストラッド・ジルベルト死去=「イパネマの娘」でグラミー賞

往年のアストラッド(©Ron Kroon/Wikimedia)
往年のアストラッド(©Ron Kroon/Wikimedia)

 ボサノバの名曲「イパネマの娘」の世界的ヒットで知られる女性歌手、アストラッド・ジルベルト(83)が5日、米国ペンシルバニア州フィラデルフィアの自宅で死去した。6日付フォーリャ紙(1)(2)などが報じている。
 1940年生まれのアストラッドは、19歳だった1959年に当時新進気鋭のボサノバのギタリストだったジョアン・ジルベルトと結婚。翌60年からジョアンのステージで歌い始めた。ジョアンとはボサノバの人気歌手で友人だったナラ・レオンを通じて知り合っていた。
 1964年、ジョアンはアメリカのサックス奏者スタン・ゲッツとアルバム「ゲッツ/ジルベルト」を発表し、大ヒット。そこに収録されていた「イパネマの娘」をアストラッドが英語を乗せて歌ったヴァージョンをシングルで出したところ、全米チャートで5位の大ヒットを記録。この曲は翌65年のグラミー賞で最優秀レコード賞を受賞した。
 アストラッドは64年にジョアンと離婚。彼女はその後も米国に住んで、ボサノバの作品を発表し続け、アメリカのジャズ・スタンダードとの架け橋的な役割も果たした。1972年を最後に新作の発表ペースが5〜10年と寡作になり、2002年に最後の作品を発表してからは、活動が止まっていた。
 今回の死も、彼女の7歳の孫娘のインスタグラムの投稿で明らかになったもので、死因は明らかにされていない。

最新記事