日本の出入国在留管理庁が日系4世の在留資格制度に関して新制度を導入する方針であると6日、日本のメディアが報じた。報道によれば新制度で4世らは、現行の「特定活動」在留資格で5年間日本に滞在した後、日本語能力試験2級(N2)相当の日本語能力要件などを満たせば、「定住者」在留資格へ変更が出来るようになる。「定住者」在留資格は更新が可能で、実質的に無期限の日本滞在が可能になるという。
現行制度で日系4世は、N5相当の日本語能力を有する18~30歳を対象に、滞在中の就労が可能な「特定活動」在留資格が与えられている。滞在期間は最長5年間で、家族は帯同できない。日本での生活を補佐する人物「受け入れサポーター」の確保も必要だ。
新制度では「特定活動」在留資格の対象年齢も、N3相当の日本語能力者であれば、35歳まで広げられる見込み。依然「受け入れサポーター」の確保は必要だが、サポーターの受け入れ担当人数が2人から3人に増やされる。
「定住者」在留資格を取得すれば家族の帯同も許されるようになる。
入管庁は、制度変更内容について意見公募を行った後、年内に告示改正を行う見込みだという。
政府は現行の在留資格制度で年間4000人の受け入れを見込んでいたが、22年末時点での在留者数は128人に留まっている。今回の制度変更は、日本と日系社会の「懸け橋」になる人材を増やすために行われるという。
■サビアの独り言■
入り口が同じで、奥行きだけ深くなっても通れる人数はさして変わらない。今回の4世在留資格制度変更案の記事を読んで、まずそう感じた。
今回の制度改正案では、4世ビザを取得してすでに日本に5年間住んでいる人が主な対象だ。そもそもその4世ビザを取得するのが至難の業との評判だ。
つまり、入り口となる「特定活動」在留資格の要件緩和幅が小さいため、在留者数の目立った増加は期待できないだろうということだ。日本語能力要件は仕事や生活基盤確立のためにもある程度は必要だが、在留者数増加を期すならば、年齢制限と家族帯同禁止の規制撤廃が必要となってくる。
入管庁は今後も意見公募を行うということなので、より現実に即した「入り口が広い」制度とするには、引き続き日系社会側からの訴えかけが必要になるだろう。