「日系社会の広がりを実感」=JICA田中理事長が来伯=日伯関係さらなる発展へ

インタビューに応じた田中理事長(JICA提供)

 ブラジル各地の日系団体との意見交換や日本移民115周年関連イベントへの参加、ブラジル政府要人との面談などのため、11日に来伯した田中明彦国際協力機構(JICA)理事長が12日午後1時、サンパウロ市リベルダーデ区のブラジル日報編集部を訪れ、日系社会への印象について語った。

 田中理事長は同日午前10時、サンパウロ市ジャルジン・パウリスタ区のホテル・インターコンチネンタル・サンパウロで行われた海外投融資セミナー「Growth Equity Investment in Climate Change and Healthcare」に参加し、開会挨拶を行った。
 その後、同市のブラジル日本文化福祉協会ビルで行われた日系団体による歓迎昼食会に参加。歓迎昼食会には全伯各地から約55人が出席し、アマゾナス州マナウス市などからも参加があった。田中理事長は「日系社会がブラジル全土に広がっていることを強く実感した」と語った。
 パンデミックにより全伯の日系団体が3~4割休眠化してしまった可能性がある点について認識を問われると、「実態を確認して、JICAとして今後どのような対処ができるか考えたい」と前向きな姿勢を示した。また、日系団体の高齢化問題については、JICAの各種取り組みによって次世代の参加が進むことを期待していると述べた。
 さらに、日系社会を通じた活動やブラジル政府との様々な分野での協力を通じて、日本の文化芸術などに関心を持っている非日系の人々にも働きかけ、日伯関係をさらに発展させていきたいと意欲を示した。
 田中理事長はブラジリア、ベレン、トメアスーを訪問後、17日にパラグアイへ視察に向かい、22日に帰国する予定。

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