アメリカーナス、不正行為の存在認める=架空の広告代巨額累積

アメリカーナス(Tania rego/Agencia Brasil)
アメリカーナス(Tania rego/Agencia Brasil)

 1月に200億レアルに及ぶ不正会計があったと報告した国内小売大手ロージャス・アメリカーナスが13日、社内で不正行為が行われていたことを認める報告書を出した。13日付フォーリャ紙など(1)(2)(3)(4)が報じている。
 アメリカーナスは1月19日から民事再生手続きに入っており、同社の司法管理者が12日に提出した報告書の内容が13日に明らかになった。
 不正会計の主な原因は共同広告の予算契約や同様の手段(VPC)という、製造業者が大量注文に対して割引を約束する小売業界では一般的な慣行だ。サプライヤーはアメリカーナスの広告に社名を出すことで製品購入時に割引を与えるはずだったが、実際には割引は行われていなかった。また、以前の経営者たちがサプライヤーへの支払いのための融資契約を経営審議会に知らせずに結んだために負債が増加。会計処理も不正な形で行われていた。
 この不正が積み重なり、217億レアルが不正に水増しされていた上、その他にも36億レアルの不正があったという。この額は2010年にカリフールで同様の問題が発生した際に記録した12億レアルの約20倍だ。
 2022年9月30日付の会計で見ると、実際の純益は177億レアルだが、40億レアルがCVMによって上乗せされ、217億レアルの純益と計上されていたという。
 この不正行為により、アメリカーナスには2022年末時点で106億レアル相当の打撃が与えられたと見られている。
 同社は不正の責任者に、CEOを務めてきたミゲル・グティエレス氏や元理事のアナ・クリスチーナ・ラモス・サイカリ氏、ジョゼ・ティモテオ・デ・バロス氏、マルシオ・クルス・メイレレス氏、元専務のファビオ・ダ・シルヴァ・アブラテ氏、フラヴィア・カルネイロ氏、マルセロ・ダ・シルヴァ・ヌネス氏の名を挙げ、責任を追及する意向だ。
 なお、ジョルジェ・パウロ・レマン氏を始めとする同社の参照株主で国内を代表する3人の富豪(3G)は、債権者と同社との合意条件として、アメリカーナスが保有する小売店株式の売却を3年間制限することに合意したと発表した。

最新記事