ブラジル日系社会の皆様、令和5年の「日本移民の日」を迎えるにあたり、一言、慶賀の御挨拶を申し上げます。
本年は、笠戸丸のサントス到着115年目の節目の年です。祖国を離れブラジルに移住された先人たちは、言語や文化も異なる中で、幾度となく困難に直面してこられましたが、日本人の勤勉さや助け合いの精神を決して忘れず、力を合わせてそれを乗り越え、刻苦勉励、幅広く様々な分野で活躍をされ、ブラジル社会の発展にも大きく貢献されてこられました。
平成25年に外務大臣としてブラジルを訪問した折に皆様から伺ったお話や、その後も様々な局面で皆様の御活躍につき学ばせていただく度に、私の皆様への敬意の念は一層高まるばかりです。 日本とブラジルの長きにわたる強い絆は、皆様がこれまで力を尽くして築いてこられた日系社会に対する計り知れないほどの重要な信頼感によって撚り上げられたものです。先般、ルーラ・ブラジル大統領をG7広島サミットに招待申し上げ首脳会談を行いましたが、その中で同大統領から、日系社会に大変敬意を有しているとの発言がありました。皆様の御活躍に改めて感銘を覚えながら一日本人として心震えるような誇らしい気持ちになりました。
長かったコロナ禍も落ち着きを見せ、人の往来もいよいよ活発化してきます。日本の総理大臣として、日系社会を介したブラジルとの特別な絆を大切にし、日本と日系社会との交流、日系人の皆様との連携強化、そして日本とブラジル両国の交流を更に活性化させていきたいとの決意を新たにしています。
日本人移住者と日系人の皆様の御健勝と益々の御活躍、そして日系社会の更なる御発展を心から祈念し、私のお祝いの御挨拶とさせていただきます。近い将来の皆様との再会の機会を楽しみにしております。