マラニョン州のイタキ港とサンパウロ州のサントス港を結ぶ南北鉄道が完成し、ゴイアス州リオ・ヴェルデ市で16日、ルーラ大統領も参加してのターミナル落成式が行われる予定だったが、悪天候のため、延期されたと15、16日付アジェンシア・ブラジル(1)(2)(3)が報じた。
南北鉄道はブラジルの鉄道輸送システムの根幹と考えられており、利権者はRumo社だ。
建設は1986年に始まり、37年の歳月を経て、全長2257キロが完成した。南北鉄道は南東部から北東部にかけての4地域を横断している。
同路線の完成で恩恵を受けるのは、コモディティの生産が地場産業のゴイアス州やマット・グロッソ州、ミナス州だ。これらの州では大豆やトウモロコシ、棉の生産が盛んで、ミナス州からは鉄鉱石なども送り出されている。これらの州からのコモディティ製品は南東部や北部の港に届けられた後、海運によって消費国に輸出されている。
リオ・ヴェルデのターミナルの落成式は10時半からで、ルーラ大統領やレナン・フィーリョ運輸相、連邦、州、市レベルの当局者、ターミナルの建設などに携わった企業の代表などが列席するはずだったが、悪天候のため、午後1時20分まで待っても大統領機が飛ばず、落成式は延期された。落成式の新たな日時はまだ公表されていない。
同線の建設作業は最初の数十年間滞っていたが、第2期ルーラ政権の2007年に経済活性化計画(PAC)からの投資を受け始めたことで加速した。
当時は、マラニョン州のアサイランディアとトカンチンス州のポルト・ナシオナルの間の運営許可はVLI ロジスティカが受け、ポルト・ナシオナルからサンパウロ州内陸部のエストレラ・ドエステまでの1537キロ(中南支線)の運営はRumo社の担当とされた。エストレラ・ドエステからサンパウロ州サントス港までは、やはりRumoが運営するマーリャ・パウリスタと呼ばれる路線が走行している。
Rumoはここ4年間で、ゴイアス州のサンシモンとリオ・ヴェルデ、ミナス州イトゥラマの三つのターミナルを建設。ゴイアスとサンパウロ、ミナスの3州での四つの橋、エストレラ・ドエステでマーリャ・パウリスタ、マーリャ・セントラルと接続するための操車場、数百キロに及ぶ線路の敷設などのために投じた資金は40億レアルに上る。
ブラジル国内の鉄道網はここ数十年間で1419億レアルの投資を受けてきたが、国内全体の輸送量の21・5%のシェアしか得ていない。
それでも、2021年の場合、鉄鉱石の輸送は93%が鉄道網を使って行われた。その他のコモディティを見ても、輸出向けの農産物の49%は鉄道網を利用して運ばれた。中でも砂糖は53%、トウモロコシは58%、大豆やその派生品は46%が鉄道輸送に依存していたという。