「アフリカ人やブラジル人は猿以下」=ガイエル下議の人種差別発言で大騒動

ガイエル下議(Camara Dos Deputados)
ガイエル下議(Camara Dos Deputados)

 「アフリカ人やブラジル人の知能は猿以下」との下院議員の発言が大炎上し、政界、司法界で罷免を求める動きが出ている。28日付エスタード紙など(1)(2)が報じている。
 問題となっているのはグスターヴォ・ガイエル下議(自由党・PL)で、23日に出演したポッドキャストでの発言が注目された。
 ガイエル氏はそこで「猿のIQは90だ。アフリカ人は72だ」と発言した。これは、アフリカに独裁政権が多いことを皮肉ったものだった。
 同下議は、「ブラジルもルーラ政権でそれに近づきつつある。ビールとピッカーニャの国民だ」と続け、「それ」の部分を猿の鳴き声を思わせる声で表した。
 同氏はさらに、「上院はもうすでに買われてしまった。下院だけが犯罪者集団(労働者党)と戦っているのだ」としてロドリゴ・パシェコ上院議長を批判。フェミニズムに対しても、「ばかげた社会のイデオロギーの運動だ」として、切り捨てていた。
 この発言には、非難が殺到。ドゥーダ・サルベルチ下議(民主労働党・PDT)とタバタ・アマラル下議(ブラジル社会党・PSB)は28日に、下院の倫理審議会に同下議の罷免を要請する意向を表明した。また、ブラジル弁護士会も同下議を「人種差別」に関する犯罪で訴える準備をしている段階だ。
 シルヴィオ・アルメイダ人権相も28日、ツイッターで「問題発言のビデオを法務省、下院、連邦警察、連邦検察庁に送った」との報告を行ったが、同下議はこれに対し、「これも独裁主義を支持する低知能の表れだ。悲しいかな、我が国は文盲か嘘つきの大臣を持ってしまった」と発言。人権相は黒人でもあり、騒ぎはさらに広がっている。
 同下議には同件以外にも問題とされる言動があり、5月にはゴイアス州の労働党州議らが連邦検察庁の倫理審議会に同下議を告発。6月初旬には組織再編の暫定令に賛成票を投じたゴイアス州選出下議を批判するSNS上の投稿を理由に、シルヴィエ・アウヴェス下議(ウニオン)が同下議を下院倫理委員会に訴えている。

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