バイア州イリェウスで3日、東西統合鉄道(Fiol)第1区間の敷設工事起工式が行われた。ルーラ大統領(労働者党・PT)はこの工事を「新PAC(経済活性化計画)の最初の事業」と位置付けており、鉄道事業への投資を擁護したと3日付アジェンシア・ブラジルなど(1)(2)(3)(4)が報じた。
Fiolはイリェウス港~トカンチンス州フィゲイロポリス間の1527キロをつなぐ路線で、イリェウス~カエチテ間、カエチテ~バレイラス間(どちらもバイア州内)、バレイラス~フィゲイロポリス間の3区間に分割される。第1区間の工事は3日に始まり、第2区間は工事が進展中だが、第3区間は工事の許可を待っている状態だ。なお、フィゲイロポリスでは南北統合鉄道とも接続する。
Fiol第1区間は537キロで、同州内19市を横切る。同区間は四つに分けられ、今回の起工式はその中の127キロ(イリェウス~アイクアラ間、通称1F)の工事のためだ。1Fの利権者はカエチテ市にペドラという名の鉄鉱山を持つバイア・ミネラソン(Bamin)で、工事自体はブラジル企業のTiisaと中国企業のCREC‐10からなる企業体TCR‐10が請け負う。
1F工区への投資は15億レアル、工事期間は36カ月の予定だが、ルーラ氏は「残業を厭わず、突貫工事をして2026年末まで(第3期ルーラ政権の任期中)に工事を完成してもらいたい」と語った。
ルーラ氏はこの工事を現政権で導入した新PACの最初の事業として重要視。起工式の演説でも、鉄道輸送にはさらなる投資が必要であることや、(鉄道網が拡大すれば)国内の鉄鋼産業の競争力がさらに高まることを強調。そのためには、政府が企業家に政治的、経済的、社会的安定を提供する必要があるとも主張した。
また、「第1期ルーラ政権終了時の勢いなら、ブラジルは世界4位の経済大国になっていたはず」とし、現在の国内総生産(GDP)は世界13位まで落ちたことを「後退した」と嘆いた後、投資拡大の鍵は国内の政治的、経済的、法的、社会的安定とし、「そのためには、人格と信頼性を備え、国民や実業家に国の現実を語る共和国大統領が必要」と発言。ブラジルを再度成長軌道に乗せるための意気込みも見せた。
起工式には、ルーラ氏とジェロニモ・ロゴリゲス同州知事の他、運輸相、官房長官、農務相、地域統合相、鉱山動力相が参加した。