放射性物質が盗難被害に=カプセル入りセシウム137

保護容器ごと盗まれた放射性物質(CGMI/CNEN)
保護容器ごと盗まれた放射性物質(CGMI/CNEN)

 ミナス州ナザレノの鉱山会社AMGブラジルが保管していた放射性物質入りカプセル二つが何者かによって盗み出され、市警と国家核エネルギー委員会(CNEN)が捜査を行うことが決まったと5日付G1サイトなど(1)(2)(3)(4)が報じた。
 AMGによると、放射性物質が盗まれたことに気が付いたのは6月29日で、市警に通報すると共に、被害届を作成し、CNENにも通達したという。
 盗まれたのはセシウム137の放射性物質で、ステンレス鋼で二重にカプセル化した上で外部を耐衝撃性ステンレス鋼でシールドしてある。リスク評価は5で、低リスクとみなされているが、取り扱いを誤れば、健康上のリスクを引き起こす可能性があるという。
 セシウム137はウラン235などの核分裂によって生成する物質で、ガンの治療や原子時計を正確に保つために使われる。人間の体内に入ると筋肉に集まりやすい性質があるが、ほとんどは体内で吸収されることもなく排出されるという。
 セシウム137の放射能が半分になる半減期は30年だが、人間の体内に取り込まれた場合は尿などから排出されるため、数カ月程度で半減するという。
 大気中のセシウム137はマスクなどでもある程度防ぐことができ、野菜などに付着した時も、洗う、煮る、皮をむき、外側の葉を捨てることで取り除くことができる。
 警察は既に正式な捜査を始めているが、CNENのスタッフが現地入りするのは5日だという。

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