駐日ブラジル大使館(オクタビオ・コルテス大使)は6月19日、「女性支援ラインと日本での家庭内暴力防止ガイド(LAMプロジェクト=Linha de Apoio à Mulher)」開始セレモニーを行った。在日ブラジル人社会における女性への家庭内暴力を減らすための運動だ。
コルテス大使、パトリシア同夫人、ギリェルメ・パトリオタ在東京ブラジル総領事、浜松市と東京のブラジル人市民評議会のワタナベ・エリカ会長、支援者、来賓らが出席した。
愛知県にある溶接学校のマヌ・バラン最高経営責任者(CEO)が司会をし、コルテス大使が登壇、ブラジル外務省と在日ブラジル人社会との対話と協力を見て満足の意を表明した。ブラジル政府がより有意義な支援を提供できるよう、コミュニティが直面するニーズと問題を理解する必要性を強調、LAMプロジェクトの創設者であるリリアン・ミシマ氏のイニシアチブに祝意を表した。
パトリオタ在東京総領事は、在日ブラジル人コミュニティ、特に家庭内暴力や児童虐待の被害者である女性と子供にとってのプロジェクトの重要性を強調した。東京市民評議会の村永アルツール氏も同プロジェクト創設を祝し、先駆的な軌跡を称賛した。
同プロジェクト創設者のリリアン・ミシマ氏は、家庭内暴力の被害者の女性を10年以上支援してきた経験と、創設に至るまでの軌跡について語った。日本にいるブラジル人被害者の状況と苦しみを描いたビデオが上映され、来場者は衝撃を覚えた。上映後、ミシマ氏は「この戦いは女性だけが参加する運動ではなく、地域社会、機関、企業など、そこにいる全員が参加すべきもの」と述べた。
ミシマ氏は来場者の中にいた3人の女性に呼びかけ、日本での家庭内暴力の被害者としての経験を皆に伝えるように要請した。
岐阜県在住の横溝プリシラさんは、自分が受けた身体的・心理的攻撃と、以前の交際中に経験した暴力から子どもたちを救い出す難しさを語った。当時このプロジェクトがあれば、困難は軽減されたはずと強調。プリシラさんは、日本のブラジル人コミュニティの女性たちを指導する上で、このプロジェクトが提供するサービスの重要性を強調した。
最後に、ミシマ氏は女性と子供に対する暴力との戦いにおける団結を求め、出席者全員に感謝の意を表した。式典の後は、農場を経営するパウラ・サカモトさんが提供するカクテルにより親睦のひと時がもたれた。(同プロジェクト公式サイト(https://lamjapao.com/cerimonia-de-lancamento/)より)