《ブラジル》川面に大量の泡が発生=雨量減り汚れが凝縮して

毒性の泡が川面を覆ったと報じる6日付G1サイトの記事の一部

 サンパウロ州内陸部で、チエテ川に白い泡が大量発生する事態が発生と6日付アジェンシア・ブラジルなど()()()が報じた。

 SOSマタ・アトランチカ研究所公共政策担当理事のマル・リベイロ氏によると、泡の原因はサンパウロ市やその周辺市から流れ込む下水に交じっている石鹸や洗剤、歯磨き粉にシャンプーといった生分解性家庭用品に含まれているリン酸塩とリンだ。
 川に流れ込んだ物質が急流や滝によって強く撹拌されると、空気を含み、泡が生じる。現在のように雨が少なく、川の水量が減る時期は汚染物質の濃度が高まり、泡が発生しやすくなる。
 同氏によると、「サンパウロ市とその周辺に住む2200万人が毎日使えば大量の汚染物質が下水道に流れ込むが、下水処理場では有機物や糞尿しか処理しない上に、降水量が減ると、汚染物質が濃縮される」という。
 現時点では、水中で濃縮した汚染物質による泡が川面を覆うほどになったのは小さな滝があるサルト市やその周辺だけだが、降水量がもっと減ると、サンパウロ市あたりでも泡が発生することがあり得る。
 泡の発生を抑えるには家庭用品に含まれるリン酸などを減らすことが有効だが、伯国の取り組みは不十分だ。
 リベイロ氏は「泡の形で漂っていると、水中に含まれるバクテリアやその他の汚染物質が人に触れやすくなり、汚染される可能性が高まる」と危険性を指摘した。
 サルト市役所は泡の発生は環境や川に依存する生物、観光、経済にも影響するとし、川の状況を監視し、川に近づかないよう住民に警告する意向だ。同市の下水処理率はほぼ100%で、同市に至るまでの水質汚濁による公害とも語っている。

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