ペルナンブコ州レシフェ大都市圏パウリスタ市のジャンガ地区で7日朝、3階建てのアパート廃墟(日本式では4階)が崩壊し、不法占拠して生活していた3人が死亡、20人以上の犠牲者が出ていると同日付G1サイトなど(1)(2)(3) が伝えた。午後5時現在で4人が瓦礫の中から救助されたが、子供を含む10人が依然として下敷きになっている。
消防によると、7日午前6時7分頃、ベイラ・マール集合住宅で、八つのブロックの内、一つのブロックの居室部分が崩壊し、もう一つのブロックも一部が崩れ落ちるという事故が発生。45歳男性と12歳少年、43歳女性と19歳の息子の遺体が発見されている。
この建物は老朽化により、2010年に裁判所の命令で立ち入り禁止となり、廃墟になっていた。しかし、12年に貧困層が不法に占拠し、無断で住み着くようになっていた。この問題に対処すべく、既にカイシャ・エコノミカ(連邦貯蓄銀行)と保険会社に住宅支援を要請していた。貧困層による不法入居の問題は長年の課題であり、連邦政府が対策を講じてもなかなか解決には向かっていない。
同州のプリシラ・クラウゼ副知事は「ジャンガ地区で発生した建物倒壊のニュースを、大変悲しい気持ちで受け止めている。現在、消防局と軍警が対応に当たっている。州政府は引き続き細心の注意を払い、事件の処理にあたる」と自身のツイッター内で語った。
崩壊の原因は明らかになっていないが、現場のあるペルナンブコ州一帯ではこのところ雨量が多く、事故前日の夜も大雨に見舞われていた。州政府は引き続き、消防士50人体制で行方不明者の捜索と救助活動を行うとともに、崩壊の原因などを詳しく調べている。