県連日本祭り=18万5千人入場で大盛況=サンパウロ州知事や林大使も慶祝

 ブラジル日本都道府県人会連合会(県連)主催「第24回日本祭り」で挨拶に立ったタルシジオ・フレイタスサンパウロ州知事は8日の開会式で、「ブラジルには200万人の日系人がいるとされているが、親日ブラジル人は500万人に上るだろうか。否、サンパウロ州、全ブラジルが親日だ」と日本に対する好意を示し、日本がブラジルに対して行ってきた農業や治安、インフラなどの様々な分野での貢献に謝意を表した。今年の日本祭りは7~9日にサンパウロ市ジャバクアラ区のサンパウロ・エキスポ・エキシビション&コンベンション・センターで開催され、昨年より多い18万5千人が入場する大盛況で幕を閉じた。

 開会式には、市川利雄県連会長、大間知アルフレッド県連副会長兼日本祭実行委員長、林禎二駐ブラジル日本国特命全権大使、桑名良輔サンパウロ総領事、江口雅之JICAブラジル事務所所長、ブラジル日本文化福祉協会(文協)石川レナト会長、タルシジオ・フレイタスサンパウロ州知事、片桐キム連邦下議、中島マルシオサンパウロ州議員、野村アウレリオサンパウロ市議、スポンサー企業代表者らが出席した。
 挨拶に立った市川県連会長は、今年の日本祭りのテーマ「もったいない」について、「来場者に日本で行われている3R(リデュース:ごみの減量、リユース:再使用、リサイクル:再利用)活動を紹介し、次世代を担う日系人、ブラジル人青年らに日本の良い伝統文化を伝えることを目指している」と語った。

 石川文協会長は、ブラジルが世界で唯一47都道府県人会が揃っている国であり、同祭が世界的な日本文化イベントであることに触れ、「私たちは日系人であることを誇りに思っている」と語り、日伯両国の更なる友好関係強化について、故安倍晋三氏が来伯時に語った「Juntos somos mais fortes (共に力を合わせればより力強くなれる)」の言葉を引用し、挨拶を締めくくった。
 野村市議が小渕優子衆議院議員(日伯友好国会議員連盟副会長)からの祝辞を代読。祝辞では今年1月の林芳正外務大臣、小渕氏来伯や、広島で行われたG7サミットへのルーラ大統領の参加が振り返られ、「日本とブラジルは地理的に大きな距離がありますが、心の距離はとても近い」と日伯両国の関係性について語られた。
 全スポンサーを代表して登壇したブラデスコ銀行の木村オラヴォ・ミツオ氏は、同行の歴史が聖州マリリア市から始まり、日系コロニアと強い繋がりを持っていることに触れ、「スポンサーとして日本祭りに協力し、日本の伝統文化普及に携わることができることを誇りに思う」と述べた。
 林大使は、日本政府がG7サミットを機に、ブラジル人の観光ビザ免除の方針を決定したことについて触れ、「日本祭りは多くのブラジル人に日本の魅力を伝えてくれています。これからは観光入国もしやすくなるので、来場者の方には、ぜひ日本を訪れて欲しい」と挨拶した。
 大間知実行委員長は「今年は経済が不安定なことから資金調達が困難だったが、無事開催でき嬉しく思う」と話し、開会を宣言した。
 同祭では、各県人会による郷土料理や県産品を使用した料理の販売や、日本の伝統芸能や日本人歌手によるショー、美人コンテスト「ミス日系サンパウロ・ブラジル」、コスプレ大会などが行われた。

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