【既報関連】ルーラ政権が再提出しようとしている基礎衛生施設(上下水道インフラ)の規制枠組に関する法令から、水道公社や当該自治体による事業継続の場合は入札を免除するという項目などが取り除かれることになりそうだ。
10日付フォーリャ紙など(1)(2)(3)によると、これは、現在、基礎衛生施設に関する大統領令に関連する交渉を行っている最中の上院での敗北を避けるためだ。
基礎衛生施設に関する大統領令は4月にルーラ大統領が編集したもので、5月に下院が承認した立法政令草案(PDL)は、大統領令の中の項目三つを覆し、連邦政府に初めての重大な敗北をもたらした。
下院が覆した項目の内、連邦政府が削除を認めたのは、地域内に複数の事業提供者がおり、水道事業の利権保有者が州または地域内の市である場合、事業継続のための入札を免除するという項目と、水道事業を地域化して複数の都市と地域にサービスを提供する契約関連の項目二つだ。
公社が担当している場合の事業継続には入札不要という項目は民間企業からの反発が強く、下院で覆された。
議会は覆された部分は大統領令によって変更することはできないとしているが、政府は暫定令(MP)や新たな法案を作れば、法的な不確実性をもたらすと主張している。このため、これらの変更は単一の法令に盛り込まれることになった。
12日付G1サイト(4)によると、ブラジルでは2020年7月に上下水道インフラに関する枠組みが承認され、2033年までに99%の国民に浄化された水を提供し、下水道へのアクセスも90%に引き上げることを目指している。
だが、現在はまだ、3300万人が浄化された水を受け取っておらず、下水道にアクセスできずに生活排水などを垂れ流しにしている人は9300万人いるという。
上下水道が行き届かないことで生じる病気入院は医療システムを圧迫し、地方財政にも負担を強いている。このような現状を打破するためにも、公社を優遇し、民間資本が入ることを妨げていることは問題とされてきた。
トラッタ・ブラジル研究所は20年に承認された枠組みを実現するには現在の2倍以上の投資が必要という報告書を提出しており、民間資本を取り入れた官民合同プロジェクト(PPP)の推進が待たれている。