ナイジェリア人4人が密入国=舵の上に潜伏して大西洋横断

ナイジェリア人4人が潜伏していた船(10日付グローボ紙サイトの記事の一部)
ナイジェリア人4人が潜伏していた船(10日付グローボ紙サイトの記事の一部)

 10日、エスピリトサント州のビトリア港に停泊していた大型貨物船の舵の上部に潜伏していたナイジェリア人4人がブラジル当局によって保護されたと連邦警察(PF)が発表した。10日付のグローボ紙など(1)(2)(3)が報じている。4人は乗組員の交代時に発見され、船長が海事警察センターに通報した。
 リベリア船籍の船は6月27日にナイジェリアのラゴス州を出港、ブラジル沿岸まで合計13日間かけて航行した。エスピリトサント州とラゴス州の距離は約5500キロ離れている。
 4人が潜伏していた舵の上部は、船の外側からでも内側からでもアクセスできる。機械のメンテナンスや修理に使用される小部屋で、わずか約2立方メートルのスペースだった。狭いので彼らは交代でしか入ることが出来ず、4人の内1人は船外にある舵の上部に留まることを余儀なくされたとPFは見ている。
 舵上部の小部屋は海に向かって開口している部分があり、船が急激に揺れた場合には海に転落する危険性があった。PFによれば、4人の内2人は泳ぎ方を知らなかったという。また潜伏していた場所は寒く、湿気も高い過酷な環境であったと説明しており、発見時、彼らは3枚の服を重ね着していた。最後の3日間は飲み水が不足し、食料も底をついていた。食料や水は出航時から数日分の貯蓄しかなかったという。
 保護された4人は14日に連邦警察に証拠を提出し、25日以内に強制送還される予定。

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