11日付フォーリャ紙など(1)(2)(3)によると、サンパウロ市セントロにある麻薬常用者の巣窟「クラコランジア」で同日、付近を走行中の車両が相次いで襲撃される事件が発生。少なくともバス6台と貨物トラック2台が標的となり、窓ガラスを割られたり、積み荷の酒類等が強奪されたりした。ゴミ収集車や警察車両も襲撃され、容疑者2人が逮捕された。
現場はリオ・ブランコ街とサンタイフィジェニア街の間にあるグスモンイス街で、バス襲撃と飲料運搬用トラックの略奪が相次いで起こり、市警備隊(GCM)と軍警察が数十人の麻薬中毒者を取り囲んだ。周囲は緊迫した状態となり、一部の商業施設は営業を一部制限せざるを得なかった。この騒動は、軍警察がゴム弾やスタン爆弾(音響閃光弾)を使用して麻薬使用者を追い払ったことで終結した。
この事件は、GCM、軍警、市警が先週末に合同で行ったクラコランジア掃討作戦の直後に発生した。今年4月に起きたドラッグストアでの略奪事件も、同作戦直後の出来事だった。
クラコランジアの問題は年々深刻化しており、拠点の分散や取り締まりの強化など、警察と聖州政府が策を講じているものの改善が見られない。むしろ、鎮圧に怒った麻薬常用者が暴力行為を増大させていると懸念する専門家も少なくない。