ボルソナロ=連警で捜査容疑を否定=ヴァル上議や1月襲撃事件=4度目の事情聴取で

事情聴取後の記者会見でのボルソナロ氏(©Valter Campanato/Agencia Brasil)
事情聴取後の記者会見でのボルソナロ氏(©Valter Campanato/Agencia Brasil)

 【既報関連】ボルソナロ前大統領が12日に連警で事情聴取を受け、22年12月にダニエル・シルヴェイラ元下議の求めでマルコス・ド・ヴァル上議と会ったが、同上議とはほとんど面識はなく、連邦議員の一人としてあっただけで、クーデター未遂などはなかったと供述したと同日付G1サイトなど(1)(2)(3)(4)(5)が報じた。
 前大統領が連警で事情聴取を受けるのは4度目で、12日付G1サイトなど(6)(7)は、今回の事情聴取は昨年12月に同年10月の大統領選の結果を覆すための計画に関する会合が開かれたというヴァル上議の告発に関するものだと報じていた。
 ヴァル氏の告発は2月2日未明にVeja誌がスクープしたもので、同日の国内メディアが一斉に拡散。国内は騒然となった。ヴァル氏はその日の内に連警からの事情聴取を受けたが、その時の供述はいくつかの点でVeja誌が報じた内容と食い違ったという。
 同日付G1サイト(8)は、前大統領とシルヴェイラ氏との会合では軍本部前でキャンプしているボルソナロ氏支持者達の話になるとのかと思っていたが、選挙高裁長官のアレッシャンドレ・デ・モラエス最高裁判事の会話を盗聴して10月の選挙はボルソナロ氏が不利になるように仕向けられていたことを示す証拠とし、選挙結果を覆すという計画を知らされたと語ったことなどと共に、その計画を持ち掛けた人物や会合の場所など、同上議の発言がその日の内に変化したことなどを報じている。
 他方、12日付ポデール360サイトなど(9)(10)によると、ボルソナロ氏は12日、2時間以上にわたる事情聴取後の会見で、シルヴェイラ氏からヴァル氏が何か話したいようだと言われて会うことにしたが、ヴァル氏と会合を持ったことはなく、一連邦議員として会っただけとし、12月8日にシルヴェイラ氏と共にヴァル氏と会った時もモラエス氏に関しては何の言及もなかったと明言。会話盗聴も含めたクーデター未遂疑惑を頭から否定した。
 また、12日の連警での事情聴取は同氏を「打ちたたく」ためだと説明。「私は何も盗んでいないし、何かを企てたこともない。この事情聴取は私を打ちたたいてなぶりものにし、世論の前では恥をかかせ、神経をすり減らさせるためのものだ。もし私に政治的な資産がなかったら、これほどまでしなかっただろう」と語った、
 また、11日に両院合同議会調査委員会に出席したが黙秘を貫いたマウロ・シジ陸軍中佐についても、同氏の補佐官任命は陸軍司令官の推薦を受けたからで、個人的な選択ではなかったとしている。

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