飢餓対策・家庭社会支援・開発省が12日、6月は4350万人(1852万世帯)が、1人あたりの世帯所得が218レアルを超え、貧困層から脱出したと発表したと12日付アジェンシア・ブラジル(1)が報じた。
貧困層を抜け出した世帯数が最も多いのはバイア州の226万世帯で、サンパウロ州225万世帯、リオ州163万世帯、ペルナンブコ州148万世帯、ミナス州138万世帯と続く。
同省によると、これは、3月に再導入された生活扶助「ボルサ・ファミリア」への補助金の上乗せが6月に始まったためだ。3月現在のボルサ・ファミリアは基本の600レアルと6歳以下の子供への補助金150レアル/人の支給のみだったが、6月には妊婦及び7~18歳の子供への50レアル/人の補助金支給も始まった。
これにより、受給世帯1人あたりの所得は最低142レアルとなり、受給世帯の平均受給額も過去最高の705・4レアルに上昇。貧困層から脱出する世帯が増加した。
他方、12日付アジェンシア・ブラジルなど(2)(3)によると、国連は12日、ブラジルではパンデミック中の2020~22年に総人口の4・7%にあたる1010万人が飢餓に直面し、32・8%にあたる7030万人が重度から中程度で食の安全を脅かされていたと発表した。14~16年の調査で食の安全が脅かされていた人は18・3%だった。
食の安全が脅かされる度合いが重度というのは1日かそれ以上、何も食べず、空腹状態で過ごした場合。中程度とは、貧困その他の事情で食料が手に入るかが不確実で、食べる量や回数を減らしたりした場合を指す。