サンパウロ連邦大学の研究者が実施した調査によると、サンパウロ州沿岸部サントス河口が世界で最もマイクロプラスチックに汚染された地域のひとつであることが明らかになった。11日のG1サイトなど(1)(2)が報じている。
この調査はサントス市とグアルジャー市の間のフェリー乗り場、プライア・ド・ゴエス、イーリャ・ダス・パルマスの3カ所の牡蠣とムール貝を分析し、40カ国以上で行われた125の調査データと比較した。
牡蠣とムール貝は汚染を検知する見張り役だと考えられている。これらの生物は海水を濾過して微細な藻類や浮遊物を食料とするため、体内に取り込んだ水分を分析することにより、水質状況の把握ができる。
サンパウロ連邦大学海洋研究所のイタロ・ブラガ・デ・カストロ教授によると、サントス市とグアルジャー市を結ぶフェリー乗り場では、世界最高レベルの高い汚染濃度が検出された。生物の組織1グラムあたり20〜30個のマイクロプラスチックが検出されたという。体内から全部で300個検出された個体も発見された。
別の研究では、バクテリアとマイクロプラスチックの興味深い関連性が明らかになっている。プラスチックと接触したバクテリアで実験を行ったところ、病原性や抗生物質耐性に関連する遺伝子の増加が見られた。これはプラスチックから放出される化学物質がバクテリアを強化し、その結果、薬剤などの有害物質に対する耐性が増加する可能性を示しており、それが生態系バランスに悪影響を与える可能性も指摘されている。
同教授によれば、サントスの都市化が進んだ結果、産業拠点や港湾ターミナルが徐々に増え、長い期間かけて汚染が続いているとのこと。この研究により、海洋環境の水質に対する懸念が高まったのは明らかであるが、問題はマイクロプラスチックによる汚染は広範囲に及んでいることだ。技術的な問題により、マイクロプラスチックの除去が簡単ではないことも事実である。