ブラジルは、残念ながらトランスジェンダーに最も厳しい国の一つだ。暴力や殺人などの犯罪から身を守るだけでなく、心は女性でも男性の身体を持つために、健康上の問題を抱える現実もある。そんなトランスジェンダー女性を支援するための下着を開発する新しいビジネスが、21日付けテラサイト(1)で紹介されている。
シルバナ・ベント氏(47)は、医療従事者として多くのトランスジェンダーの女性を見てきた。そこで彼女たちの多くが健康に問題を抱えていることに気づいた。外出時にはトランスであることを隠すため、男性器を股の下にテープで固定することが多い。
その姿勢のままでは排尿できないため、トイレに行かずに何時間も過ごすことになり、結果的に体に悪影響を残すことになる。
その経験から、シルバナ氏は「Trucss」(2)というブランドのインナーウェアを開発した。ショーツの内側には袋状の部分があり、これによりテープの使用が不要となり、より快適で安全に過ごせる。
ブランドの立ち上げには困難を要したが、需要が高く、トランス女性たちの生活にとって重要な存在として認識されている。現在はSUS(統一医療保健システム)の枠内での無料配布を目指し、議案を提出し、1万8千人以上の賛同署名を得た。この提案が実現すれば、トランスジェンダーの人々に雇用の機会が期待されている。