アニメ作品をポ語吹き替え版で=10月から独自配信開始へ

ANIME REMOW LATAM社の山下武史(たけふみ)社長

 ANIME REMOW LATAM社(在メキシコ)の山下武史(たけふみ)社長(47歳、神奈川県出身)が14日、編集部を訪れた。同社は昨年11月にメキシコに開設された支社で、中南米スペイン語圏向けに、アニメ作品供給と独自ストリーミングサービス(https://www.animeonegai.com/)を行っており、大きな反響を呼んでいるという。
 本社はREMOW社(東京)で、主に日本国外向けアニメ販売、映像配信サービスのブランド構築及び会員獲得業務を行っている。集英社など映像関連会社約20社が出資して設立された。
 山下さんは、「普通のストリーミング作品は英語版からですが、我々は日本語から直接にスペイン語翻訳している。二重翻訳に加えてポリティカル・コレクトネスの影響が強い英語にした段階で表現が変わってしまい、日本語での面白さが伝わらなくなる可能性がある。その点、我々の配給作品は評価を得ていると実感している」と手ごたえを語る。実際、ストリーミング人気ランキングでも、同社の配給作品がメキシコでは軒並み上位を占めている。
 日本では毎年300タイトルもの作品が公開されているが、そのうち海外で公開されるのはほんの僅か。それを少しでも多くして、海外の視聴者に提供するのが、同社の使命だ。自社ストリーミングだけでなく、ネットフリックスのような大手配給会社にも権利を販売し、双方向で普及を図っている。
 スペイン語版サイトにはすでに120作品が並んでおり、「すごい勢い」で吹き替え版を製作している。利用料金は月3ドル程度。ポルトガル語版配信サイトを10月から始める準備のために当地を訪れた。まずポ語字幕の30作品公開を目指すが、いずれ吹き替え版にするという。

スペイン語の独自ストリーミングサイト

 県連日本祭りを視察して「日本の伝統芸能や郷土料理と、アニメや漫画などの現代文化が見事に混在していた。あの一体感はすごい。若いブラジル人たちのコスプレのレベルと数の多さにも圧倒された。その姿と、県人会の日系人たちのフュージョン(融合)に驚いた」とコメント。
 「自分たちが日本で作っていたものが、中南米でこんなに熱烈に受け入れられているという現実に感動している。ポルトガル語吹き替え版の製作を進めたい。アニメに関する高い理解度と、熱い情熱を持った現地スタッフに集まってもらい、より現地にマッチした形で提供できるよう取り組む」と熱く語った。
 山下さんは9日に来伯してまず県連日本祭りを視察、関係企業と交渉、14日からのアニメフレンズも視察、15日にメキシコに帰国した。

最新記事