サンパウロ州イタピラ市にあるナイトクラブは、同店で働くセックスワーカー3人と正式に雇用契約することに合意したと、21日付テラサイト(1)(2)が報じている。これは労働検察局(MPT)による監査後に実現され、ブラジル国内でセックスワーカー(売春労働従事者ら)の雇用契約が正式に結ばれた初めての事例となった。
労働検察局は、女性を奴隷の様な条件下で働かせているという告発を受けて、同クラブに対して監査に踏み切った。だが告発内容にあるような、現代的奴隷制、人身売買、性的搾取などの証拠は見つからず、実質的な雇用の関係があることが判明したため正式に労働契約することになった。
ナイトクラブの管理者側と労働検察局との間で合意書が締結され、彼女らとの雇用契約を正式に締結するまでに30日の猶予期間が与えられた。合意条件に違反したり、不適切な労働状態が見つかったりした場合、一人あたり2千レアルの罰金が科される。
ブラジルの職業分類(CBO)では、セックスワーカーは職業の一つとして正式登録されている。性風俗業はデリケートで表面化されにくい業界だ。これを機に他のナイトクラブでも正規雇用され、労働者としての権利が更に保護されるようになると期待されている。