ボサノバの大家アントニオ・カルロス・ジョビンの末娘で、歌手のマリア・ルイーザ・ジョビンが先月、2枚目のソロアルバム「アズール」をリリースし、最後に「涙そうそう」(森山良子作詞、BEGIN作曲)が日本語で収録されている。6月21日のG1サイトなど(1)(2)が紹介した。
「涙そうそう」は沖縄方言で「涙がぽろぽろこぼれ落ちる」という意味を知った森山良子が、若くしてこの世を去った兄を想い、作詞した曲。マリア・ルイーザも昨年亡くなった兄ポールを偲ぶ気想いをこの曲と重ね合わせたのかもしれない。
CBNブラジルの6月23日付インタビューに答えて、マリア・ルイーザは「日本にコンサートのために数回訪れ、小野リサと知り合いになり、彼女がギターで弾いてくれた『涙そうそう』を聞いて感動して、自分のアルバムに入れたいと思った。リサにサポートしてもらい、日本語で歌った。言葉の意味が分からなくても、音楽性や曲のデリケートさは十分伝わると思う」と述べた。彼女の流暢な発音も注目ポイントだ。
デビューアルバム「カーザ・ブランカ」から4年を経て、故郷リオの海からインスピレーションを受けて、パンデミック中に楽曲を制作した。兄への敬意を込め、彼が作曲した代表曲「ソーホーのサンバ」も収められている。
彼女は自分の起源を「カーザ・ブランカ」、「アズール」を現在とし、「母親になり癒しを経て、恋愛や出会いと別れを経験した後、私はやっと自分自身に戻ってきた。人生は常に光と影が交錯している。青色を意味する『blue』と『azul』は感情の宇宙で意味が対立する。『blue』は英語で悲しみを意味するのに対し、ポルトガル語で『tudo azul』は喜びの表現となる。この一つの言葉に内在する二面性が、アルバムの光と影を表している」と述べている。