花嫁をより美しく輝かせるために欠かせないウェディングドレス。100年以上も前に作られた一着のドレスを代々大切に受け継ぐ、アマゾナス州都マナウス市の家族の物語を、TVグローボの報道番組「ファンタスチコ」が紹介した。23日G1サイトなど(1)(2)が伝えている。
時は1910年まで遡る。その頃のマナウスは天然ゴムの輸出により栄えており、経済的に潤っていた。アマゾン熱帯雨林の真っただ中に、当時「白い黄金(ouro branco)」と呼ばれたゴムの景気に沸いた町ができていた。億万長者が次々に生まれ、欧州からの船が直接にアマゾン河の同港までやってきたため、欧州の高価な物品をどんどん購入していた。
このドレスの最初の持ち主ベアトリスさんもそんな家族の一人だった。彼女はベルギーのブリュッセルでウェディングドレスをオーダーするという夢を果たした。フランスのベル・エポックからインスピレーションを受けたそのドレスは当時もの珍しく、自分の結婚式で注目の的となった。ヨーロッパでも高級品だったそのドレスが、今日まで一族に受け継がれることになる。
時代を重ね、何度もアレンジが加わり、今年5世代目の花嫁であるバルバラさんに手渡された。なんと合計24人の花嫁に着用されたのだ。彼女は「大人になってやっと家族の伝統の大切さを理解し、今度は私が自分らしいスタイルで伝統を受け継ぐ番だ」と語った。
このドレスはバルバラさんの結婚まで10年以上保管されたままで、損傷が激しく黄ばんでいたため、修理に75日を要したが、結婚式で立派にその役目を果たした。家族にとってこの一着は、単なる遺産や伝承にとどまらず、一家の結束を強め、古いものを大切にする意識を後世に伝える宝物だとのこと。
伝統はこれからも受け継がれる。