アジア系主人公のドラマはいつ?=グローボ俳優ペドロ・オガタの野望

俳優のペドロ・オガタ(23日付テラ・サイトの記事の一部)
俳優のペドロ・オガタ(23日付テラ・サイトの記事の一部)

 グローボTV局の有料動画サイト、グローボプレイで絶賛配信中のドラマ「オズ・オウトロス」。その中でアジア系人種としては珍しい残忍なキャラクター「ソウザ」役のペドロ・オガタさん(17歳)に注目が集まっている。23日付テラ・サイト(1)が次のように報じている。
 ソウザは、アジアのルーツが一切掘り下げられない冷酷ないじめっ子役だ。ブラジルのテレビドラマではありがちな「パステウを売って、口ごもりながら話すアジア人」とは対照的と言える。
 新進気鋭の役者オガタさんは、2020年にグローボ局のオーディション番組「ザ・ボイス・キッズ」に出演した後、役者の道へ進み、このソウザ役を熱演して俳優としての地位を確立しつつある。
 彼はインタビューを受け、そこには興味深いコメントが散りばめられている。例えば、アジア人に対する固定観念が根強く存在することを懸念しながら、次のような体験談を語った。
 ブラジルの学校では一般的に「日系人は成績が良い」という先入観があるために、「学校では成績が悪いと『エセ日本人』と呼ばれた」とも。
 またコロナ禍中は、中国武漢でウイルスが発生したこともあり、中国系子孫を中心にアジア系にもいわれのない野次が飛ばされた。オガタさんも、「『自国に戻れ』と言われ、アパート内でも『コロナウイルス』と呼ばれたこともある。これは非常につらかった」と振り返っている。
 彼は、東洋系アーティストが結成したプロジェクト「ソモス・ブラジレイロス」の一員で、偏見を払拭し、より良い作品づくりのためのサポートネットワーク構築を目指している。成果は見られるものの、まだ改善すべき点が多いとのこと。
 ブラジルではアジア人が主人公となる長編ドラマはかつてない。だがオガタさんは「それはもう時間の問題」と彼は言う。「ヨーロッパ中心主義の考え方はもう古い」とも。
 彼が「主人公第1号」となる日は、近いうちにくるだろうか。

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