シジ容疑者、不釣り合いな資金繰り判明=前大統領にも巨額PIX送金=支持者からの募金殺到で

ボルソナロ氏(Tania Rego/Agencia Brasil)
ボルソナロ氏(Tania Rego/Agencia Brasil)

 金融活動管理審議会(COAF)が27日、ボルソナロ氏の右腕だった陸軍中佐で現在逮捕中のマウロ・シジ容疑者が短期間に320万レアルの不審な送金を行っていたことや、ボルソナロ前大統領が今年、Pixを通じて1720万レアルを受け取っていたことを明らかにした。27日付CNNブラジルなど(1)(2)(3)が報じている。
 これらの調査は連邦警察からの依頼に応じて行われた。主な目的は1月8日の三権中枢施設襲撃事件に関係した人物がボルソナロ氏本人や周囲の人物と現金のやりとりがなかったかを調べるためだ。
 COAFの報告によると、まず、マウロ・シジ氏は2022年6月~23年1月に320万レアルの金を動かしていたという。内訳は、入金が180万レアル、出金が140万レアルだったという。この時期のシジ氏の月収は手取りで1万7千レアルほどだった。
 また、ボルソナロ氏が米国のフロリダに滞在していた今年の1月に、シジ氏が米国の口座に36万7千レアルの送金を行っていたことも確認されている。
 シジ氏の弁護人は、国外送金を含む金の動きは全て合法的なもので、連邦警察に対しても明らかにしてきたと反論している。
 COAFは、今年の上半期に、ボルソナロ前大統領がPixを通じて1720万レアルの送金を受けていたことも報告している。
 これらはボルソナロ氏の裁判の費用や、パンデミック中にマスクを着用しなかったために科された罰金を払うための費用としての募金で、今年に入ってから支持者たちの間で盛んに行われていたものだ。募金は予てから知られていたものだが、COAFによると、約76万9千回の送金で合計1719万6005・80レアルを受け取っていたという。これは、この時期にボルソナロ氏が受けた全送金額(1849万8532レアル)の大半を占めている。
 ボルソナロ氏は2022年の大統領選の際、所有資産を230万レアルと申告していた。同氏は今月初旬、「罰金を払うための金はもう十分に揃った」として、募金の詳細を近日中に明らかにすると発言していた。
 COAFの調べでは、2回にわたって計4万7800レアルを支払った所属の自由党(PL)以外にも、5千〜2万レアルが支払われたケースが18回あったという。
 前大統領の広報を担当するファビオ・ワインガルテン氏はまだ、ボルソナロ氏のPixでの金の受領に関する見解を示していない。
 さらに28日、COAFは、ミシェレ前大統領夫人の個人の支払いの肩代わりをしていたとの疑惑をもたれている企業「セドロ・ド・リバノ」社の口座で、2020年1月~23年4月に3200万レアル相当の不審な金の動きがあったと指摘した。その中には1660万レアルの入金を受け、即座に同額の支出を行った例もあったという。同社は同時期に、シジ容疑者と同時に逮捕された陸軍軍曹のルイス・マルコス・ドス・レイス容疑者と現金のやりとりも行っている。
 ミシェレ氏やレイス容疑者の弁護人はこの件に関する見解を表明していない。

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