『渡部昇一の少年日本史』(渡部昇一著、致知出版社、2017年)のポ語訳『A Essência da História do Japão』がブラジル日報協会から刊行された。60レアル。
博識、鋭い論説で知られ、86歳で逝去した上智大学名誉教授、渡部氏が人生の最後に当たって若い世代向けに綴った日本通史の決定版。神話から現代までが、この1冊ですべて学べる。
日本語版には著者の次のような言葉がある。「歴史とは、単なる事実の積み重ねではなく、歴史的事実という水滴を、日本という場所、現代という時代から、日本人の目を通して眺めた時に見えてくる『虹』のようなもの。それこそ日本人にしか見えない虹、国史(=国民の歴史)である。自分の目に虹として映るような国を持てるということが何よりも幸いである」と述べている。
「日本に生まれたことを誇りに思えるように」と最後まで日本と日本人の行く末を案じていた渡部氏。その切なる思いを託した「次世代への遺言」とも言える書籍だ。
渡部氏の自宅の蔵書は15万冊を超え、そこから導き出した考察から、専門の英語学以外にも歴史論、政治・社会評論などを幅広く論じ、生涯に225冊を著述した。共著も多数ある。
そんな博学な著者が、神代から古代・中世・近世・近代・現代に至るまで、著者は日本史の中で重要だと考える出来事、日本史の面白いエキスだけを抽出してまとめた。
日本では「歴史を好きな高校生も苦手な高校生も、この本を読めば歴史への見解が変わると思います」といった声が聞かれている。今までポ語の日本史の本がほとんどなかった中、待望の一冊となった。日本の歴史にまだ興味を持っていない子や孫へのプレゼントに最適な一冊。宮坂国人財団が協賛。
購入希望者は当協会(担当マリア、11・3164・0474)、太陽堂(11・3207・6367)、フォノマギ竹内書店(11・3104・3329)まで。