日本語センター=「学び」について探求=全伯日本語教師研修会

開会式に参加した皆さん

 ブラジル日本語センター(矢野敬崇理事長)は7月20~22日、「第66回全伯日本語教師研修会」をサンパウロ市ビラ・マリアナ区の同センターで対面とオンラインのハイブリッド方式で開催した。対面で28人、オンラインで58人が参加した。
 同研修会の目的は、全国の日本語教師が一堂に会し、多方面にわたる情報、知識を得て、指導力、運営力の向上を図ること、日本語教育運営現場の情報交換を行うと同時に日本語教師間のネットワーク作りを進めること、多様化する教育現場に対応できる教師や学校の役割を考えることの3つ。
 今回の研修テーマは「『学習者の学ぶ力』を意識しよう!」。研修内容は「学ぶ」こと自体に対する理解を深め、生徒の学習力を伸ばすための方法論習得に重点が置かれた。
 国際交流基金サンパウロ日本文化センターの日本語上級専門家・斎藤誠さんが講演「学習者の学びについて考える」を行い、ブラジル日本移民史料館の展示を参考に学習者の興味をひく題材を探す「授業のヒント探し」、日本語教師らによる現場報告をもとにしたグループディスカッション、日本語教育にまつわる座談会が行われた。
 20日に行われた開会式では、矢野理事長が「日本語は2600年以上続く国の歴史を受け継ぐ知恵の宝です」と話し、日本語教師らに激励の言葉を送った。
 在サンパウロ総領事館の菊池暁子副領事はポルトガル語学習をしている自身の経験から、「良い先生だと授業内容も自然に頭に入り、勉強に対するモチベーションも向上します」と言語学習における教師の重要性について語り研修参加者を励まし、日本語学習者には日本国外務省が実施する国費留学事業などにも参加して、日伯の架け橋となってほしいと述べた。
 国際交流基金の田村大吾所長は、コロナ禍中は対面式の活動が停止を余儀なくされ、多くの困難があった一方で、オンライン技術の導入が促進されたことについて触れ、「パンデミックで苦労しながら得たオンライン技術のおかげで、今回の研修会にはブラジル全土から参加者を迎えることができ、嬉しく思います」と話した。

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