ノルウェーのオスロ大学客員研究員で日本人美術家の是恒(これつね)さくらさん(37歳、広島県出身)が、北海道土産の「木彫り熊」の調査で、情報提供を呼びかけている。
是恒さんは現在、北海道を中心とする木彫り熊の研究者や愛好家との共著で、木彫り熊と北海道の歴史をつなげる書籍の制作活動を行っている。来年2024年には、北海道の木彫り熊が誕生100周年を迎えるとし、「人々の移動とともに各地に散らばった木彫り熊をもう一度、北海道へ再接続できればと考えております」と話している。
是恒さんの親せき(大叔父2人)は、第2次世界大戦前と後にそれぞれ大分県からブラジルへ移民として渡っており、現在、サンパウロ市に2世・3世の親族が住んでいる。2018年、親族訪問のため来伯した是恒さんは、サンパウロ市にあるブラジル北海道文化福祉協会(平野オストン会長)の会館にも木彫り熊があることを知ったという。
是恒さんは「日本で木彫り熊は引っ越し祝い、入学祝いなどの節目に贈られることもあったと聞きます。ブラジルの日系家庭での木彫り熊と、その思い出が見つかりましたら、とても貴重な証言になります。(現在制作中の)書籍の中で、移民の方々の木彫り熊制作等について何かわかることがありましたら、紹介できたらと願っております」と、ブラジル日系社会からの情報提供を呼びかけている。
木彫り熊に関する情報提供は、サンパウロ市在住の石原桂(かつら)さんまで。(Eメール=granjasaopauloltd@gmail.com)