百万長者41万人、億万長者51人=ブラジル人富豪増加で社会格差顕著に

19日付UOLの記事の一部
19日付UOLの記事の一部

 USB銀行による調査によると、ブラジルの「百万者」(milionário)数は年々増加し、世界で最も増えた国の一つとなっている。2021年には29万3千人であったが現在では41万4千人となり、約12万人も増えたと19日付UOLの記事(1)が報じている。
 百万長者とは100万米ドル(約500万レアル、約1億5千万円)以上を所有する人々を指している。現在の百万長者数はロライマ州ボアビスタ市の人口とほぼ同じ。リオ市のマラカナン・スタジアム5個分の収容人数に匹敵する。
 百万長者数が増加した国別ランキングはブラジルに続いて、イラン、ノルウェー、メキシコ、ロシアとなっている。スイスの銀行の調査によれば、世界全体では22年末には5940万人の百万長者が存在していた。ブラジルでは増加したが、世界では21年と比較すると350万人も減少した。
 14日付テラ・サイト(2)は、さらに裕福である億万長者(bilionário、10億ドル以上の資産を持つ人、約50億レアル、約1500億円)について報じた。金融ブログ「インサイダー・マネー」が作成した億万長者の国別ランキング23年版によると、ブラジルは51人で18位、純資産は1600億米ドルで、これは7930億レアルに相当する。22年には62人がいたが、10人減少した。
 長者番付でブラジルトップは178億米ドル(880億レアル)の資産を持つビッキー・サフラ氏だ。サフラ銀行を所有するサフラ家の一員で、実業家である彼女は世界で最も裕福な100人にも選ばれており、フォーブス誌によるランキングでは96位を占めている。
 20年前には、100万ドル以上の資産を持つブラジル人はわずか3万3千人しかいなかったとみられている。USB銀行の予測では、今後もこのペースが続く場合、27年までに78万8千人まで百万長者が増加する可能性があるとの見方をしている。この予想が現実となれば、ブラジルの所得格差はさらに拡大する可能性がある。この調査では、すでにブラジルが南米で最も格差の大きい国であると指摘されており、メキシコがそれに続いている。
 報告書によると、ブラジルの人口のうち最も裕福な1%が、国内総生産(GDP)の48%を占めている。00年にはこの割合は44%だった。

最新記事