「ファンクの王子」逝く=リオ市のMCマルシーニョ

在りし日のマルシーニョ(©Instagram/MC Marcinho)
在りし日のマルシーニョ(©Instagram/MC Marcinho)

 今日、ブラジルで最も人気のある音楽の一つである「ファンク(ポ語はファンキ)の先駆者的存在の歌手で「ファンクの王子」MCマルシーニョ(45)が26日に亡くなった。同日付G1サイト(1)、アジェンシア・ブラジル(2)が報じている。
 マルシーニョは7月10日に心停止で倒れてリオ市のコパ・ドール病院の集中治療室に入院。以来、人工心臓の装着を行うなど、治療を施していたが、26日朝、力尽きた。
 マルシーニョ(本名マルシオ・アンドレ・ネポムセノ・ガルシア)は1977年にリオ州フルミネンセ海岸部ドゥケ・デ・カシアスに生まれ、10代の時、リオ市西部のバングー地区に移り、そこを生涯の拠点とした。
 ファンク歌手として活動し始めたのは1997年からで、90年代後半には、当時のリオの人気のファンクのレコード会社「フラカン2000」の所属アーティストとして活躍。
 「ラップ・ド・ソリタリオ」でヒットを飛ばして注目を集め、2002年に「グラムローザ」が最大のヒットを記録した。
 彼は激しいリズムで過激なセックスや暴力を歌っていたファンクの世界を作り変え、よりメロディックで甘いムードの恋愛を歌った。それ故に、彼のスタイルは「ファンキ・メロディ」とも呼ばれた。
 だが、2006年に乗っていたバンで大怪我をし、8カ月間入院。医療保険に加入していなかったため、それまで稼いだ金を一気に失う事になった。
 その後も、乗っていた車が襲撃を受けたり、2019年には心臓発作を起こすなど、波乱万丈の人生だった。

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