判事に障害女性奴隷扱い疑惑=告発後も職務続け高給受ける

ジョルジ・ルイス・デ・ボルバ氏(28日付テラサイトイトの記事の一部)
ジョルジ・ルイス・デ・ボルバ氏(28日付テラサイトイトの記事の一部)

 サンタカタリーナ州フロリアノポリス市の自宅で、障害のある女性を奴隷労働させた疑いで告発されている判事ジョルジ・ルイス・デ・ボルバ氏が、事件が明るみに出た後も同州司法裁判所(TJ―SC)での職務を続け、6月と7月で合計17万8941・20レアル(約538万円)の給与を受け取ったと28日付テラサイト(1)などが報じている。
 同氏の自宅で6月、聴覚障害があり発話が難しい49歳の女性が保護された。この女性は13歳の時に雇われ、裏部屋に住み込みで家事を担当して無給で働いてきた。手話も習得していなかったと報道されている。
 奴隷同然の状態で生活し、虐待を受けていた疑いが持たれている。「この女性よりも飼い犬の方が遥かに良い扱いを受けていた」との証言もある。彼女が救出されたとき、ブラジャーを着用しておらず乳房の下に発疹ができていた。
 この件により、同氏は国家法務審議会(CNJ)と連邦司法高等裁(STJ)の2カ所で法的審議に対処することとなった。それにも関わらず3万7500レアルの基本給をもらい続け、さらに最大の特権である休暇分の割り増し手当も取得し、6月の総収入は9万8600レアルで、翌7月は8万200レアルの給与となっていた。
 ボルバ氏は司法裁判所の公共法部門の職に就いて5年が経つ。ブラジル弁護士協会の同州支部長も務めていた。
 司法裁判所は、判事解雇の判断権は高等裁にあると述べている。「現在ボルバ判事は通常通りの職務を行い、憲法上の制限内で報酬を受けている」と認めている。
 この事件が発覚した際、同氏は「警察の捜査に驚いた。私は愛情をもって彼女を迎え入れた。奴隷のような状態で働かせているなど根拠のない作り話だ」との声明を出している。

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